運転免許の取得を検討する際、教習所選びは非常に重要です。教習所には名称の違いだけでなく種類もさまざまであることから、「どのような違いなのかが分からない」「どれを選べば良いか分からない」と困っている方も多いのではないでしょうか。
教習所には、大きく分けて公認と非公認の2つの種類があり、特徴が異なります。
そこで、この記事では公認教習所と非公認教習所の基本的な違いから、教習の品質、費用、柔軟性、合格率の観点からそれぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。
目次
公認教習所と非公認教習所の定義
教習所を比較検討していると、自動車学校や自動車教習所、ドライビングスクールなどさまざまな名称があることに気づくでしょう。
どれも運転免許の取得を目的とした学校ですが、公認か非公認かによって教習の内容が異なります。ここからは、それぞれの違いについて説明します。
公認教習所
公認教習所とは、公安委員会から公認を受けた自動車教習所のことで、「指定自動車教習所」とも呼ばれます。
認定を受けるためには、人的基準・物的基準・運営基準という3つの基準を満たす必要があります。具体的には、国家資格を持つ管理者や指導員の配置、コース・教室などの設備の充実、法令に基づいた教習課程の運営が条件となります。
詳しくは、『指定自動車教習所とは? メリットや運転免許取得までの流れを解説』をご覧ください。
非公認教習所
非公認教習所とは、公安委員会から公認を受けていない自動車教習所の総称です。届出自動車教習所と特定届出自動車教習所、指定外自動車教習所の3種類があります。
公認教習所とは異なり、教習所内での試験の実施が認められていないため、教習生は技能試験や学科試験は運転免許試験場(運転免許センター)で受験しなければなりません。
詳しくは、『非公認教習所とは?公認との違いやメリット、合宿免許プランを紹介』をご覧ください。
1.届出自動車教習所
届出自動車教習所は、公安委員会に届出をしているものの、公認を受けていない教習所です。 指定自動車教習所のような基準を満たしていないため、各教習所の設備や指導方法が一律ではありません。
届出自動車教習所の詳細については、『届出自動車教習所とは? 指定自動車教習所との違いやメリット・デメリットを解説』で確認できます。
2.特定届出自動車教習所
特定届出自動車教習所は、届出自動車教習所と同様に公安委員会に届出済みの教習所です。3つの基準を満たしていないため非公認ですが、『特定教習』と『取得時講習(自動車等の運転に関する講習と応急救護処置に関する講習)』を実施できる点が届出自動車教習所と異なります。
3.指定外自動車教習所
指定外自動車教習所とは、公安委員会に届出をしていない自動車教習所のことです。 そのため、公安委員会の監督を受けておらず、練習コースを設けていない教習所もあります。
主に、ペーパードライバーや免許証再取得者が運転の練習を行うために利用するケースが多いです。
メリット・デメリットを踏まえた公認教習所と非公認教習所の違い
公認教習所と非公認教習所の違いについて、メリット・デメリットの観点から4つの項目に沿って解説します。
1.教習の品質
公認教習所では、国家資格を持つ指導員から教習を受けられるうえ、カリキュラムや施設が公安委員会の基準に則っているため、どの教習所でも一定の品質が保証されています。
一方、非公認教習所では、各教習所が独自のカリキュラムを組むため、教習内容や指導方法、指導技術に統一性がありません。教習の質が教習所ごとに異なる可能性があります。
2.教習費用
公認教習所は、非公認教習所に比べて教習費用が割高です。理由として、国家資格を持つ指導員の確保や、教習コース・学科教室などの施設整備にかかる費用が影響していることが挙げられます。
非公認教習所は、設備や指導員の人件費などの経費を抑えられるため、比較的安価なプランを提供できるケースが多いです。 ただし、技能試験の受験料や取得時講習の費用が別途かかるため、最終的な費用が必ずしも安くなるとは限りません。
3.教習の柔軟性
公認教習所では、カリキュラムが規定されているため、自由度は低いものの、計画的に学習を進めやすいメリットがあります。 特に、合宿免許を利用すれば決められたスケジュールによって短期間で効率的に免許を取得できます。
非公認教習所では、カリキュラムの制約がなく、自分のペースで教習を受けられます。 また、教習期限もないため、仕事や学業の都合に合わせて進められる柔軟性の高さが特徴です。
4.合格率の高さ
公認教習所の卒業者は本免技能試験が免除されます。試験は教習所内の慣れたコースで受けられるため、心理的な負担が軽減されるメリットがあります。また、学科教習も指導員から学べるため、非公認教習所と比べて合格しやすい環境です。
非公認教習所では、すべての試験を運転免許試験場で受験する必要があります。学科の勉強も自力で行うため、合格の難易度が高く、免許取得までに時間がかかるケースもあります。
公認教習所を選ぶなら合宿免許がおすすめ! そのメリットを紹介
公認教習所には、合宿免許と通学免許があります。どちらも公認教習所としての品質や環境などは共通していますが、合宿免許では費用や効率面でメリットがあり、通学免許では得られない体験もできます。
ここでは、合宿免許をおすすめする理由を説明します。
1.短期間で運転免許を取得できる
合宿免許の最短日数は、普通AT車が14日、MT車が16日です。集中的に教習を受けるため、通学免許に比べて効率的に免許取得を目指せます。
また、教習所と宿舎の移動は徒歩またはスクールバスでの送迎が用意されています。通学の手間もかかりません。
2.教習の予約が不要
通学免許では、技能教習の予約が必要ですが、希望する日時に予約が取れないこともあります。 また、空き状況に応じて予約を調整したり、キャンセル待ちをしたりする必要があります。
その点、合宿免許は教習スケジュールがあらかじめ決まっているため、予約の手間がなく、スムーズに免許取得を目指せます。
3.費用を抑えられる
合宿免許は、一般的に通学免許よりも費用を抑えられます。 その理由として、物価の安い地域にある教習所が多いことや、効率的な教習スケジュールによるコスト削減が挙げられます。
そのため、宿泊代や食費を含んだパック料金でも、比較的安く提供されるケースが多いです。
4.旅行気分を味わえる
通学免許は、自宅や学校、職場の近くを選ぶことが多く、日常生活と大きな変化はありません。
一方、合宿免許では、教習所の周辺に観光スポットがあることも多く、教習の合間に観光やレジャーを楽しむことができます。 自宅から離れた土地で過ごすため、非日常的な生活や旅行気分を味わえるのも魅力です。
5.ほかの教習生と交流ができる
合宿免許では、全国各地から集まった教習生と交流する機会が多くあります。 校内や宿泊施設、イベントなどで共に行動することが多いため、自然と親交を深めやすい環境です。
一方、通学免許では、教習時にほかの教習生と一緒になることはあるものの、毎回同じメンバーとは限らないため、交流の機会は比較的少ない傾向にあります。
教習所選びは大切! 公認教習所の合宿免許で安心して免許取得を目指そう
公認教習所では、質の高い教習を受けられるだけでなく、卒業後の本免技能試験が免除されるなど、多くのメリットがあります。
一方、非公認教習所は費用面では安く抑えられるものの、試験はすべて運転免許試験場で受験する必要があり、学科も自己学習です。
初めて運転免許を取得する方や、短期間で効率的に取得したい方には、公認教習所の合宿免許がおすすめです。 公認教習所の合宿免許なら、安心して免許取得を目指せるでしょう。