「運転免許を取りたいけど、どこに行けばいいか分からない」「通学免許と合宿免許の違いが分からない」など、これから免許を取りたい方はいろいろと比較しなければならないことがあります。
通学免許と合宿免許のどちらが良いのかが分からず、なかなか選べないという方が多いのではないでしょうか。また、教習所や自動車学校、ドライビングスクールやモータースクールなど学校によって複数の名称があるため、混乱してしまう方もいるかもしれません。
そこで今回は、通学免許と合宿免許の違いを徹底的に解説します。そしてどのような人におすすめなのかを紹介します。ぜひ参考にして、ご自分に合った免許取得方法を選んでください。
目次
運転免許取得の方法
運転免許を取得するには、自動車学校で教習を受ける必要があり、大きく通学免許と合宿免許に分けられます。自動車学校の違いを明確にしておくことは、プランを選ぶうえで重要です。
通学免許は2種類
通学免許とは、自宅から教習所や自動車学校に通いながら教習を受ける免許取得方法です。教習を受ける際には、その都度前もって予約をしなければなりません。
予約する際、常に希望日時が空いているわけではなく、繁忙期や週末など人気のある時期には、なかなか予約ができないこともあります。その場合には、空いている日時に合わせて教習を受けなければなりません。通学免許の卒業までの期間は2~4ヶ月程度(※)かかります。
また、ひと口に通学免許といっても教習所や自動車学校など、さまざまな呼び方がありますが、呼び方によって施設の種類や教習内容に違いが生じることはありません。
▼通学免許の呼称例
- 教習所
- 自動車学校
- ドライビングスクール
- モータースクール
ただし、申し込みの際には、施設名よりも”指定自動車教習所”と”届出自動車教習所”の違いに注意が必要です。どちらを選ぶかによって試験や教習の受け方が変わってきますので、間違えないように、これらの違いを押さえておきましょう。
※・・・卒業までの期間は地域や時期によって異なります。
1.指定自動車教習所
指定自動車教習所は、公安委員会が定めた基準のすべてに適合し、認定された学校を指します。”指定校”、”公認校”、”公認教習所”などと呼ばれます。運転免許の新規取得者のうち、約95%が指定自動車教習所を利用しています。
基準には、次の3つの条件が定められています。
- 人的基準:資格のある指導員が配置されている
- 物的基準:コースの面積や作り方、学科を勉強する教室が設置されている
- 運営基準:教習(学科教習・技能講習)の内容が道路交通法令の定める基準に適合している
指定自動車教習所では、これらの条件をすべて満たしていなければならないため、教習所ごとに指導員や設備、教習内容に違いが生じることはありません。どの教習所でも同等の環境で教習を受けることが可能です。
また、指定自動車教習所では、仮免許技能試験と学科試験を教習所内で受けることができます。卒業検定に合格し卒業できれば、本免許技能試験は免除されます。
なお、指定自動車教習所にはシンボルマークがあり、教習所のホームページや看板、パンフレットなどで見ることができますので、シンボルマークの有無で指定校かどうかを判断しましょう。
2.届出自動車教習所
届出自動車教習所は、一度運転免許を取得した方が再度取得するために利用することが多い教習所です。公安委員会に届け出をすることによって設立された学校のため、学校運営にあたり、規定の基準に従う必要はありません。
指定自動車教習所と違い、教習内容や施設・設備などの環境は各教習所に委ねられます。費用は安くなりますが、教習所ごとに指導内容や指導力、施設・設備に差が出るため、教習所によって試験の合否に影響する可能性があります。
教習所での教習を終えても本免許技能試験が免除になることはなく、運転免許センターで仮免許技能試験と学科試験、本免許技能試験を受験しなければなりません。
また、指定自動車教習所では応急救護処置・高速教習・危険予測の3課程がカリキュラムに組まれていますが、届出自動車教習所の場合、受講できるのは”特定届出自動車教習所”に限定されます。
ここで受講した場合、本免許技能試験に合格すると、合格当日に免許証が交付されますが、受講せずに本免許技能試験を受験した場合、合格当日には免許証を受け取ることができません。後日講習を受けた後に交付が可能になります。
合宿免許
教習所指定の宿泊施設に滞在しながら、教習を受ける自動車免許 の取得方法です。普通車の運転免許なら期間は約2週間で、基本的にAT車が14日、MT車が16日のスケジュールで進みます。
合宿免許プランは滞在期間中の宿泊代・教習費・交通費込みで、プランによっては食費も含まれます。あらかじめ決められたスケジュールの流れに沿って教習を受けるため、短期間で効率よく進めることができます。
教習内容は指定自動車教習所と同じで、教習所内での仮免許技能試験と学科試験、卒業検定に合格すると、本免許技能試験は免除されます。宿泊施設は教習所の近隣にあり、徒歩圏内やスクールバスでの送迎のため、通学時間はそれほどかかりません。
通学免許のように毎回教習の予約をする必要がなく、さらに食事付きプランなら決められた時間にレストランや食堂に行けば食べられるため、自分で食事を用意する手間も省けます。
通学免許と合宿免許の違い
通学免許と合宿免許の2つの違いは主にどこに滞在するか、教習予約の有無、卒業までの期間などで、さらに教習スケジュールや交通費・保証などの費用に関連する違いもあります。
項目/学校種別 | 通学免許 | 合宿免許 |
滞在する場所 | 自宅 | 合宿免許先の宿舎やホテルなど |
教習予約の有無 | 都度予約 | 予約の必要なし |
卒業までの期間 | 2~4ヶ月程度 | 14日間程度 |
教習スケジュール | 自分の都合に合わせて受講 | 教習所のスケジュールに沿って受講 |
交通費 | 支給なし | 教習所による |
保証 | 保証なし | 教習所・プランによる |
また、通学免許と合宿免許では、料金・費用にも地域によって差があります。特に合宿免許では繁忙期と閑散期で料金が変動しますので、そのあたりも違いの一つといえます。
教習内容は指定自動車教習所と届出自動車教習所によって変わりますので、併せて通学免許と合宿免許について確認してみましょう。
関連記事:【2024年版エリア別】一番安い合宿免許プラン19選
プラン料金
合宿免許と通学免許での、AT車とMT車の相場は、以下のとおりです。
合宿免許 | 通学免許 | |
AT車 | 18~32万円 | 25~32万円 |
MT車 | 20~34万円 | 27~34万円 |
下限価格と上限価格のどちらも合宿免許が通学免許より安いのが分かります。特に下限価格は7万円の差額があります。通学免許の費用は教習費のみですが、合宿免許では教習費以外にも宿泊代、食事代、延長保証費が含まれています。
合宿免許のほうが安く入校できる理由として、最短14日程度で免許取得するためにスケジュールが決まっていることや、回転率がよいことなどが挙げられます。また、合宿免許なら、入校時期・宿泊施設・部屋タイプ・食事の有無など、プランの選び方次第で、より安く入校できる場合もあります。
さらに、早割やグループ割、団体割などの割引や格安キャンペーンも行われているので、実施時期や条件が合えばさらにお得に利用できます。
教習スケジュール
教習で学ぶ内容は、学科教習・技能教習とも通学免許と合宿免許で共通しています。ただし、教習を受ける際の流れに違いがあります。
通学の場合、自分の都合でスケジュールを組むため、予約をしたい日時に空きがなければ予約を取れません。予約状況によっては、教習を受けた日と次に受ける日の期間が空きやすいのが特徴です。期間が長くなるほど、卒業までの予定が延びるだけでなく、学科教習や技能教習で習ったことが忘れやすいというデメリットがあります。
一方、合宿免許はスケジュールに沿って毎日教習を受けられるため、集中的に覚えやすいというメリットがあります。また、短期間でモチベーションを維持しやすい点もメリットの一つです。
交通費
合宿免許は教習所指定の宿泊施設に滞在しながら、教習所へ通います。
通学の場合、教習所に行くたびに交通費がかかりますが、宿泊施設は基本的に教習所から近い場所にあり、徒歩圏外であってもスクールバスで送迎してもらえるため、毎日の交通費はかかりません。
また、自宅から合宿免許先までの往復にかかる交通費は、基本的にプラン料金に含まれていません。交通費の支給は教習所によって分かれますが、最近では支給されないところも増えています。
保証制度
ほとんどの合宿免許プランには保証が付いています。試験で不合格の場合、期間を延長して同じ教習を受けなければなりませんが、規定日数内であれば再教習の費用や宿泊費、食費などの追加料金はかかりません。
一方、通学免許では基本的に保証は付いていないケース が多く、再試験の場合は教習費用や試験代が別途発生します。ただし、延長保証オプションを付けられる教習所もあります。この場合、オプション料金を支払えば規定範囲内で保証されます。
合宿免許と通学免許の入校から免許取得までの流れ
入校から免許取得までは、どのようなスケジュールで進められるのか、通学免許と合宿免許で違いがあるのかといった疑問を持つ方も多いでしょう。
合宿免許と通学免許で、入校から免許取得までの流れは変わりません。大きく違いが見られるのが、教習期間です。合宿免許は入校から卒業まで約14日ですが、通学免許は約2~4ヶ月かかります。
▼入校から卒業までの流れ
流れ | 合宿免許 | 通学免許 |
入校日
(適性検査含む) |
1日(数時間) | 1日(数時間) |
第一段階
(仮免許試験まで) |
約1週間 | 約1~2ヶ月 |
第二段階
(卒業検定まで) |
約1週間 | 約1~2ヶ月 |
本免許学科試験 | 1日 | 1日 |
どちらも、入校から卒業までの教習や試験は教習所で行われます。卒業後は、教習所で交付された卒業証明書を持って、住民票の記載された都道府県の運転免許試験場(免許センター)で本免許学科試験を受けます。
教習所を卒業したら免許を取得できると勘違いしないように注意しましょう。
入校までの手続きに関しては、通学免許は教習所の受付での申し込みが可能でスタッフの対応や教習所の雰囲気をチェックできます。
しかし、合宿免許の場合は直接教習所に出向いて確認できないため、パンフレットや合宿免許予約サイトの情報などでチェックしておくことが大切です。
合宿免許と通学免許のメリット・デメリットまとめ
合宿免許と通学免許には、以下で挙げたようにさまざまなメリット・デメリットがあります。
▼合宿免許と通学免許のメリット・デメリット
合宿免許 | 通学免許 | |
メリット | ・短期間で免許取得を目指せる
・格安プランが多い ・教習の予約が不要 ・観光やアクティビティも楽しめる ・宿泊施設やプランが豊富にある ・保証制度がある ・遠方の人たちと知り合える |
・自分のペースで通える
・自宅から通える ・アルバイトや仕事でまとまった休みをとる必要がない ・自宅周辺の道路状況で技能教習を受けられる |
デメリット | ・約2週間のまとまった休みが必要
・自分のペースで進められない ・慣れない環境での生活ではない ・基本的に休日はない ・合宿期間中は一時帰宅できない |
・入校から卒業までの期間が長い
・合宿免許より費用が高いケースが多い ・希望通りの予約が取れないことがある |
通学免許に向いている・おすすめの方
通学免許は一般的に、自宅や会社近くの教習所・自動車学校に通う方法のため、環境に大きな変化が見られないのが特徴です。
1.自分のペースで通いたい人
普段の生活を続けながら通えるのが通学免許のメリットです。空いた時間に教習を受けられるので、無理に生活スタイルやペースを変える必要がありません。
「この時期は忙しい」「今なら集中して受けられる」といったそのときの状況に応じて、教習の予約時間を選択できます。比較的自由にスケジュールを組める点が魅力です。
また、自宅から通えるため、アルバイトをしている大学生や会社勤めの社会人、子育て中の主婦の方など、長期間家を空けられない方には適した取得方法です。
2.慣れ親しんだ道路で教習を受けたい人
通学免許の場合、教習所付近の道は普段から使っているという方も多いようです。技能教習では、仮免許学科試験・技能終了検定に合格すると、一般車が行き交う実際の道路で路上運転の練習を行います。
初心者にとっては、安全で分かりやすい道路を運転したいものです。通学免許なら地元の慣れ親しんだ道路を運転できるため、「この先を行くと交差点だ」「ここを曲がると一方通行だ」など先を読みながら運転ができます。
土地勘があることは、知らない道路よりもずっとアドバンテージがあり、落ち着いて練習ができます。身近な場所で安心感を持って運転に慣れていきたいという方にはぴったりです。
合宿免許に向いている・おすすめの方
合宿免許はメリットがたくさんあるため、いろんな方に適した免許取得方法です。通学免許と比較しておすすめポイント・メリットがたくさんありますので確認していきましょう!
1.費用を安く抑えたい人
1つ目は、費用を安く抑えたい人向けであることです。
合宿免許プランにはさまざまな費用が含まれています。基本的には教習費、教材費、検定料などの教習関係の費用をはじめ、宿泊代、食事代のほか、プランによっては延長保証料金も該当します。
リーズナブルな価格で利用できるだけでなく、約2週間の日々の生活においても、一度プラン料金を支払えば余計な出費がないというメリットもあります。
教習所と宿泊施設の行き来では徒歩かスクールバスでの送迎で交通費はかかりません。日用品やおやつなどのちょっとした買い物やお出かけなどの費用のみとなるため、費用を抑えたい人におすすめです。
2.短期間で免許取得したい人
2つ目は、短期間で免許を取得されたい方向けであることです。
通学免許の場合、卒業までには平均2~4ヶ月程度の期間を要します。都合の良いときに通えますが、混雑する時期には希望日時に予約ができないこともあります。特に夏休みや春休みになると、希望のスケジュールどおりに進めないことも少なくありません。
一方、合宿免許は最短で約2週間の教習スケジュールがあらかじめ決められています。教習生は入校日から卒業日まで、そのスケジュールに沿って教習を受けられます。
一度入校したら、卒業まではスムーズに進めることができるため、短期間に効率よく計画を立てることができます。無駄がなく計画的に免許取得を目指したい方には、合宿免許は断然おすすめです。
3.友達と旅行気分で楽しみたい人
3つ目は旅行気分で楽しみたい方向けであることです。
旅行気分を味わえるのは合宿免許の醍醐味の一つです。観光地や海・山などの自然あふれる地域に立地する教習所は数多くあり、教習の合間に観光や散策などを満喫できます。
プランによってはアミューズメント施設や温泉の無料入湯チケット付きもあるため、リフレッシュもできます。友達と一緒に参加すれば、よりにぎやかに過ごせて思い出が増えます。自宅から離れた地域で普段とは違った雰囲気のなか、たくさん楽しみたい方にはぴったりです。
関連記事: 【2024年版】合宿免許で観光も楽しめるプラン20選を要チェック!
合宿免許でよくある質問を解決!
ここからは、合宿免許に関して寄せられる質問に対して回答します。合宿免許の知識を深めて、万全の状態で参加しましょう。
合宿免許にはどんな特典がありますか?
特典は、多くの教習所が用意しており、教習所やシーズンによって内容が異なります。一般的によくある特典・キャンペーンは、以下のとおりです。
▼特典・キャンペーン例
特典・キャンペーン | 内容例 |
格安プラン | 期間限定、入校日限定、部屋タイプ限定、年齢限定、男性限定/女性限定 |
割引・キャッシュバック | 早割、グループ割、団体割、学割、普通二輪免許・大型免許所有者割引 |
プレゼント | 温泉入浴券・スパ施設利用券 |
格安キャンペーンはオフシーズンに提供されることが多く、あらかじめプラン料金に適用されています。
割引特典は、申し込み時に条件が合えば、合宿免許プランから一定料金が割り引かれたり、卒業時にキャッシュバックされたりします。プレゼント付き特典の場合には、入校時に利用券や割引券が配布されます。
特典によって併用できるものもありますので、活用すると大幅に費用を抑えられます。
どんな宿泊施設や部屋に滞在しますか?
合宿免許で多く用意されている宿泊施設は、寮とホテルです。そのほか、旅館や民宿、ペンションもあります。寮は教習所が管理する建物や提携マンションやアパートなどを指します。
部屋タイプは、シングルルーム、ツインルーム、トリプルルーム、4人部屋、相部屋などがあります。相部屋以外は、自分一人または友達と部屋を貸し切ります。
一般的に、部屋の定員数が多くなるほど割安になりますが、相部屋はほかの教習生との同室になるため格安で提供されていることが多いです。定員数はプランによって異なります。
合宿免許期間中に休暇日はありますか?
合宿免許では基本的に休日はありません。実施校は少ないですが、教習所によっては事前に申請をすることで1日の休暇日を取得できることがあります。
しかし、丸一日の休みがなくても、スケジュールによっては教習の時限数が少なくゆっくり過ごせます。早めに教習が終わる日には自由時間も多くなるため、気分転換に外出するのも良いでしょう。
食事は自分で用意しますか?
必ずしも自分で食事を用意する必要はありません。基本的に、プランには食事付きプランと食事なしプラン(自炊プラン)があります。食事付きプランは教習所または宿泊施設で食事が提供されるため、自分で用意する必要がありません。
食事なしプランの場合には、宿泊施設にキッチンが付いている場合には、自炊ができます。キッチンがない場合や面倒なときには、各自お弁当を買ったり外食したりして対応します。
食事なしプランは食事代が付いていない分、プラン料金が格安です。一方、食事付きプランは食事代込みのため食事なしプランよりも割高ですが、自分で用意する手間が省けるメリットがあります。詳細は下記の記事をご覧ください。
関連記事:合宿免許の食事プランの種類とメリット・デメリット、注意点をチェック!
安く・短期間で取得できる合宿免許がおすすめ!
通学免許と合宿免許には、さまざまな違いがあります。どちらも特徴がありますが、合宿免許プランは通学免許と比べて、安い費用で短期間に免許取得を目指せるのは大きなプラスポイントです。
また、合宿免許には単に免許を取得するという目的だけでなく、楽しみやお得感といった通学免許にはないメリットがあります。観光や全国各地から集まる教習生との交流、新しい出会いなどさまざまな体験ができます。
コーディネーターからの
ひとこと
合宿免許ならではのメリットを満喫して、お得に・短期間で免許取得を目指しましょう!