
普通自動車の運転免許を取得しようと考えている方のなかには、すでに普通自動二輪や原付などのバイク免許を所持している方も少なくありません。これらの免許を所持していることで「何かメリットがあるのかな?」「安く入校できないかな?」と期待する方や「一般の免許取得方法と異なるの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。
そこで、この記事では普通車免許を取得したいと考えている“二輪免許所持者”の方に向けて、合宿免許での教習や期間、費用や申込時の注意点などを解説します。
関連記事:合宿免許でバイク免許(普通自動二輪・大型自動二輪)を取得するメリットと注意点
目次
二輪免許持ち(二輪持ち)とは

合宿免許のプランを探していると、パンフレットやプランの紹介サイトなどで”二輪免許持ち”や”二輪持ち”という言葉が使われていることがあります。これは自動二輪免許、いわゆるバイク免許を持っていることを意味します。合宿免許で普通自動車免許を取得する場合は、二輪免許を所持していることで特典を受けられることがあります。
しかし、二輪免許にもさまざまな種類があり、自身が対象者であるか確認が必要です。
原付免許(原動機付自転車)は“二輪持ち”の対象外のため注意してください。車種の排気量によって免許の種類が異なります。
■二輪免許の対象者
| 対象範囲 | 免許の種類 | 排気量 | 法定速度 |
| 対象外 | 原動機付自転車 | 50cc以下 | 30km/h |
| 対象 | 普通自動二輪車(小型限定) | ~125cc | 60km/h |
| 対象 | 普通自動二輪車 | ~400cc | 60km/h |
普通車免許の取得希望者のなかで、高校生のときに二輪車の免許を取得した大学生や専門学校生は割引になる可能性があるため、割引特典のあるプランを中心に確認してみてください。
合宿免許における二輪免許所持のメリット

多くの合宿免許プランでは、二輪免許所持者向けに割引特典を用意しています。一般的に、学割やグループ割などほかの特典と比べても割引額が大きく、大幅に費用を抑えられるメリットがあります。
シーズンによってプラン料金は変動しますが、2~3月の春休みや7月下旬~9月上旬の夏休みの繁忙期はプラン相場が割高です。二輪免許持ち割引特典の対象者は、繁忙期であっても免許所持なしの方と比べて、予算内に収まるプランの選択肢が増える可能性が高いでしょう。特に10~12月の閑散期なら格安プランをさらに安くできるため、かなりお得です。
二輪免許持ち特典を利用した割引額

では、一体どれくらい割引になるのでしょうか?ここからは、割引額と割引の理由について解説します。
プランによって異なる割引額
もちろん教習所や時期により差があるという前提ですが、おおよそ10,000~20,000円ほど割引になることが多いようです。
教習所によっては20,000円以上割引になることもあります。割引額や条件は、教習所ごとで異なるため、パンフレットや案内を事前に確認しておきましょう。
なお、合宿免許さぽっとの提携校で二輪免許をお持ちの方を対象とした割引の有無については、下記までお問い合わせください。
お問い合わせ先:合宿免許さぽっと公式サイト
二輪免許持ちで割引になる理由
二輪免許を取得している方が割引になる理由として、学科教習や技能教習が重複している部分の教習を受ける必要がないことが挙げられます。
学科教習でいえば、本来26時限分受けなければいけないものが2時限と大幅に短縮されるほか、技能教習も2時限分短縮されます。
二輪免許持ちで入校する場合の最短日数

ここまで、二輪免許を所持している方が普通車免許の合宿免許に参加すると、多くのプランで割引特典を受けられることと、その理由に関して説明してきました。
では日数はどうなのでしょうか?学科教習が短縮されるため、「滞在日数も短くなるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、基本的に日数は変わりません。
その理由は、法律で1日に乗車して良い時間(技能教習を受けられる時間数)が決められており、その時間数以上の技能教習を受けることができないためです。短くなることはあっても1日程度でしょう。
普通車・普通二輪・大型二輪の最短日数
ここでは、二輪免許を所持していない方やこれから二輪免許を取得した後に普通車免許の取得を計画している方への参考として、普通車・普通二輪・大型二輪、それぞれの最短日数の目安を紹介します。
■普通車・普通二輪・大型二輪別最短日数の目安(所持免許なし/原付)
| 車種 | 最短日数の目 | |
| 普通車 | AT | 14日 |
| MT | 16日 | |
| 普通二輪(バイク) | AT | 7日 |
| MT | 9日 | |
| 大型二輪(バイク) | MT | 16日 |
※最短期間は合宿免許プランによって異なります。
最短期間の範囲について
合宿免許では、入校日(入校式)や卒業式のほか、教習所によって歓迎会や各種イベントなどが実施されるため、実際にいつからいつまでを最短期間というのか、疑問に思う方もいるでしょう。
最短期間とは、入校日(入校式)と卒業式を含めた期間です。例えば、普通車AT免許の最短日数が14日の場合には、入校日(入校式)が第一日目、卒業式が第十四日目にあたります。歓迎会や各種イベントが実施される場合には、14日のスケジュールのなかに含まれます。
なお、入校日の前日に近隣のホテルなどに宿泊する場合には、最短期間に含まれません。合宿免許参加の前後に予定のある方は、日数に注意してください。
二輪免許持ちで合宿免許プランを申し込みする際の注意点

二輪免許持ちで運転免許を取得する際には、初めて免許を取得する方とは異なった注意事項があります。
おもに、所持免許に関することですが、事前に注意事項を知らないまま合宿免許を申し込みすると、スムーズに入校できない場合もあるため、しっかりと確認しておきましょう。
所持免許の有効期限を確認する
運転免許は車種ごとに免許証を発行するのではなく、一つの免許証に取得した免許の車種が記載されます。
つまり、二輪免許などをすでに所持している方が新たに普通車免許を取得すると、所持免許に運転可能な車種として”普通車免許”が追加されます。そのため、必ず所持免許の有効期限を確認し、期限が切れる前に更新手続きを行ってください。
万が一、有効期限が過ぎてしまった場合は、失効手続きが必要です。失効手続きの内容は、失効に至った理由や失効してからどれくらいの期間が経過しているかによって異なります。
所持免許の違反点数が普通免許取得時に影響する
二輪免許の運転中に違反をして違反点数が累積している場合、普通車免許の取得に影響が出る可能性があります。
初心運転者期間中に違反点数が3点以上になった場合は、普通車免許を取得するために初心運転者講習の受講が義務付けられています。
講習を受講していない場合は、合宿免許への入校不可だけでなく普通車免許の取得もできないため、必ず現在の違反点数を確認し必要な講習を受講しましょう。
軽微な違反を繰り返して累計点数が6点に達した場合は、違反者講習を受講しなければ免許停止処分を受けます。違反者講習を受講すると、30日間の免許停止が免除されます。
現在の違反点数を確認するには、『累積点数等証明書』または『運転経歴証明書』を申請し、最寄りの警察署や自動車安全運転センターで発行が必要です。
割引特典の併用不可・期間限定の場合がある
二輪免許持ちで合宿免許を申し込みすると、割引特典を受けられるプランがたくさんあります。
しかし、「2つ以上併用不可」というように複数の割引特典を併用できなかったり、期間限定のキャンペーンとして特典内容が変わったり、特定期間は利用できなかったりする場合もあります。
そのため、予約前に各プランの特典内容や適用条件をしっかりとチェックしましょう。
二輪免許を持たない友達と同室できない場合がある
二輪免許を持っている場合、教習スケジュールが短く設定されるため、免許を持たない人と比べて滞在日数に差が生じます。
教習期間が異なると滞在日程もずれるため、同じ部屋に宿泊できるかどうかは、教習所や宿泊施設のルールによって異なります。
そのため、友達と一緒に入校して同室での宿泊を希望する場合は、教習所によっては同室での申し込みを受け付けていないことがあります。
グループ割を利用したい場合にも『同室』が適用条件のものもあるため、予約前にプランの詳細を確認し、グループ割の対象や同室条件を問い合わせておくと安心です。
また、「カップルOK」と明記されたプランでは男性と女性同室の滞在が可能ですが、同じようにどちらか一方が二輪免許を所持している場合には、念のため事前に確認しておきましょう。
合宿免許で失敗しないプラン選びのポイント
合宿免許の期間中を快適に過ごすためには、教習スケジュールや宿泊環境など、申し込み前にチェックしておきたいポイントがあります。
合宿免許に参加してから「思っていたイメージと違った……」「こんなはずじゃなかった……」と感じることがないよう、事前の確認が大切です。
ここでは、失敗しないために押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
1.宿舎のタイプと設備の充実度を確認する
合宿免許では、プランによってさまざまなタイプの宿泊施設や部屋が用意されています。例えば、以下のような宿泊施設と部屋タイプがあります。
■宿泊施設
- 学生寮
- ホテル
- 旅館
- 民宿
- ペンション
■部屋タイプ
- シングルルーム
- ツインルーム
- トリプルルーム
- 4人部屋
このほかにも、女性専用宿舎や大人数で滞在できる貸切部屋などがあります。さらに、食事付きプランのほか、自炊設備が整ったプランを選べば食費を抑えることも可能です。
宿泊施設によって滞在中の快適さは大きく変わるため、Wi-Fi・ランドリー・休憩スペースなどの設備、周辺にコンビニ・スーパー・薬局があるかなども確認しておくと安心です。
2.教習環境を重視するなら指定校を選ぶ
教習の質や安全面を重視する場合は、「指定自動車教習所」への入校がおすすめです。 指定自動車教習所とは、公安委員会の厳しい基準を満たして認定された教習所で、法律に基づいた安全な指導が行われています。
指定自動車教習所のおもなメリットは、以下のとおりです。
- 安全基準に基づいた指導を受けられる
- 充実した教習設備が整っている
- 卒業すると本免技能試験が免除される
教習設備や技能教習の車両、コースは整備が行き届いており、安全面に配慮した指導が受けられるため、初めて運転する方でも安心して教習に臨めます。教習所によって指導員や設備、カリキュラムに大きな差はなく、どの指定教習所でも同等の環境で学ぶことが可能です。
また、普通自動車免許だけでなく、中型・大型・二種免許などとセットで取得できるプランを用意している教習所もあり、将来的なステップアップを考える人にも適しています。
指定自動車教習所については、こちらの記事で詳しく解説しています。
指定自動車教習所とは? メリットや運転免許取得までの流れを解説
3.延長に不安があるなら手厚い保証を選ぶ
合宿免許では、技能検定で不合格になった場合や技能教習で補習を受けなければならない場合に追加料金が発生し、卒業が予定日よりも長引くケースもあります。
そのため、保証内容を確認することが重要です。『卒業まで保証付き』の手厚い保証内容であれば安心です。
費用を抑えたい方は、最安プランを探すだけでなく、保証やサポート体制も含めて総合的に比較するようにしましょう。
4.アクセスのしやすさと交通費をチェックする
アクセスが悪い教習所を選ぶと、移動だけで疲れてしまい、教習に影響が出ることがあります。 特に駅から遠い教習所や乗り継ぎが多い場所では、移動に時間と費用がかかるため注意が必要です。
また、交通費が支給される教習所は限られており、全額支給されるとは限りません。 最大支給額や支給条件を事前に確認しておきましょう。
遠方から参加する場合は、往復の交通費や移動時間を把握し、負担が大きくならないように計画することが大切です。
二輪免許所持者の特典を利用して、お得に普通車免許を取得しよう!
二輪免許持ちの方にとって、合宿免許での普通車免許取得は費用を大幅に抑えられるというメリットがあります。
しかし、すべての合宿教習所で料金の割引や日数の短縮があるわけではありません。
また、同じ教習所でも時期によって割引がある時期とない時期があり、教習所ごとに割引額や適用条件が異なります。
割引を重視する方は、事前に教習所のホームページやパンフレットで二輪免許所持者の特典をしっかり確認して、自身の希望に合ったプランを見つけてください。
なお、合宿免許ではプライベート重視のシングルルームプランやほかの教習生と過ごせる相部屋プランなどさまざまなプランがありますが、人気の地域や宿泊施設は空き状況が変動しやすいため、早めの段階で予約すると安心です。