合宿免許では普通車免許のみならず、バイク免許を取得するためのプランが用意されています。対応車種は教習所によって異なりますが、どの合宿免許先もバイクを運転しやすいコースが整備されているので安心です。
バイク免許は通学免許でも取得できるため、合宿免許を選ぶ理由が分からないという方もいるでしょう。
この記事ではバイク免許を検討している方に向けて、バイク免許の種類や条件など運転免許取得のための基本情報から、合宿免許で免許を取得するメリットや注意点まで解説します。
目次
バイク免許の種類と取得条件
一般的に、合宿免許で取得できる車種は“普通自動二輪免許”(以下、普通二輪)と“大型自動二輪免許”(以下、大型二輪)に分けられます。免許の種類によって運転できるバイクが異なるため、希望する車種が合宿免許先で対応しているかを確認しましょう。
普通二輪免許
普通二輪免許とは、総排気量400cc以下の自動二輪車を運転するための免許です。普通二輪免許を取得すると、総排気量50cc以上125cc以下の小型自動二輪と、総排気量50ccまでの原動機付自転車(原付バイク)も運転できます。
普通二輪免許は、バイク免許や中型免許(中免)と呼ばれることもあります。免許はAT(オートマチック)車限定とMT(マニュアル)車から選べます。
普通二輪免許の入校資格は以下のとおりです。
入校資格項目 | 内容 |
年齢 | 満16歳以上(卒業検定時に16歳であれば入校可) |
視力 | 両眼0.7以上かつ片眼0.3以上。(片眼が0.3未満の場合、他眼の視力が0.7以上で視野が左右150度以上) |
色彩識別・身体・運動適性等 | 赤・青・黄の識別ができること
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること 『道路交通法施行令』第38条の2第4項第1号、または第2号に掲げる身体の障害がないこと など |
大型輪免許
大型二輪免許は、総排気量400cc超の自動二輪車を運転するための免許です。免許は、AT(オートマチック)車限定とMT(マニュアル)車から選べます。
大型二輪免許のMT(マニュアル)車を取得すると、どの種類のバイクでも運転できます。AT車は排気量最大650ccまでに限定されます。
大型二輪免許の入校資格は以下のとおりです。
入校資格項目 | 内容 |
年齢 | 満18歳以上(卒業検定時に18歳であれば入校可) |
視力 | 両眼0.7以上かつ片眼0.3以上。(片眼が0.3未満の場合、他眼の視力が0.7以上で視野が左右150度以上) |
色彩識別・身体・運動適性等 | 赤・青・黄の識別ができること
10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること 『道路交通法施行令』第38条の2第4項第1号、または第2号に掲げる身体の障害がないこと など |
合宿免許でバイク免許を取得するメリット
バイク免許は通学免許でも実施していますが、合宿免許だからこそおすすめする魅力があります。ここからは4つのメリットを紹介します。
1.プラン料金がお得
合宿免許では通学免許と異なり、教習費以外にも宿泊費と食費がかかります。しかし、すべての費用が含まれても通学免許よりも格安プランを提供するところが多くみられます。
合宿免許では閑散期に入校するのがおすすめです。2~3月の春休みや7~8月の夏休みでは割高の傾向ですが、学割やグループ割などの割引キャンペーンを利用すれば、通常料金よりも格安で利用できます。
また、費用を安く抑えたいという方は、部屋タイプを割高のシングルルームよりも安い相部屋を選ぶのがおすすめです。さらに、自炊が得意な方は食事なしプランを選び節約することもできます。
2.早く運転免許を取得できる
通学免許の場合には技能教習を受けるたびに予約を取らなければなりませんが、合宿免許では予約が不要です。あらかじめ決められたスケジュールに沿って教習が進められるため、学科教習も自分で時間割を組む必要がありません。スムーズに効率よく進められる環境は、大きなメリットといえます。
技能教習では合格しやすいように広々としたコースが用意されているところが多く、落ち着いて教習を受けられます。
普通自動二輪の場合には最短日数が9日間、大型自動二輪は6日間です。さらに、普通自動二輪の場合、普通自動車免許の資格所持者は学科試験が免除されるため、最短6日での卒業も可能です。
3.旅行気分を味わえる
宿泊施設は、学校寮やホテル、旅館や民宿などさまざまタイプから選べます。宿泊施設によっては、地元の食材を使った食事やボリューム満点のバイキングなどを提供しています。ほかにも観光スポットや温泉街、レジャー施設などの近くにある教習所も合宿免許を実施しています。
運転免許の取得を目指しながら旅行気分も味わえるのは、全国のエリアで実施される合宿免許ならではのメリットです。休みを利用して観光やレジャーなど普段とは違った快適な生活を味わいたい方におすすめです。
4.普通車免許と同時に取得できる
合宿免許では、普通車と自動二輪車を同時に取得できる”同時教習”プランも用意されています。一度の入校で2種類の運転免許を取得できるため、入校手続きの手間を省けるメリットがあります。
参加期間は、普通MT車と普通二輪MT車の場合、約16日+約9日間が目安です。「就職したら通える時間がない」と心配している学生の方にとっては、春休みや夏休みの長期参加が可能な時に取得しておくのがおすすめです。
同時教習については、こちらの記事で解説しています。併せてご確認ください。
合宿免許の入校から免許取得までのスケジュール
普通二輪MT車(免許所持なし)の教習スケジュール例を紹介します。なお、下記のスケジュールと日数は教習所や個人の進度によって異なります。一例として参考にしてください。
入校日当日
入校説明と適性検査を終えたら、学科教習と技能教習を受けます。
2日目~8日目
学科教習は2~5時限/日、技能教習は2~3時限/日受けます。5日目~6日目に応急処置を学びます。
9日目
技能教習の卒業検定を受験し、合格すると卒業です。
卒業後
住民票のある都道府県指定の運転免許試験場(運転免許センター)で適性検査と学科試験を受け、合格すれば運転免許証が交付されます。普通車免許以上の免許所持者は学科試験が免除されます。詳しい情報は、受験会場となる運転免許センターに問い合わせてください。
合宿免許のバイク免許プランの相場
合宿免許ではスケジュールに沿って効率よく教習を進めていくことから、無駄のない教習が可能です。また、地方での合宿免許では都市部よりも施設の管理費や維持費などを抑えられるため、多くの合宿免許先が格安価格のプランを提供しています。
以下に、普通二輪AT車と普通二輪MT車の一般的な相場を紹介します。
▼普通二輪車ATと普通二輪MT車の相場
車種 | 相場 |
普通二輪MT車(免許所持なし) | 10~20万円 |
普通二輪AT車 | 8~18万円 |
※教習所やエリアによって相場は異なります。
合宿免許でバイク免許を取得する際の注意点
バイク免許を取得するうえで特殊な決まりやプランの性質があります。ここからは、バイク免許を取得する際の注意点を4つ解説します。
1.普通車免許と比べて用意するものが多い
四輪の自動車と違い、バイクを運転する際は安全面を考えてヘルメットやグローブ、ブーツやプロテクターが必要です。夏の時期は厚手の長袖と長ズボンを着用します。以下のとおり、ルールに沿った持ち物を用意しましょう。
ヘルメット
JIS規格かSG規格に対応したフルフェイスを用意します。半キャップはNGです。
手袋・軍手
普通二輪の場合は革製の手袋または軍手を用意します。大型二輪は革製の手袋またはバイクグローブの用意が必要です。軍手は使用できません。
シューズ
ライダーブーツやハイカットのシューズ、スニーカーなどの運動靴を用意します。
なお、ズボンの裾は広がらないようにバンドで抑えるなどをして、靴の中からはみ出さないように注意してください。
2.入校不可の時期がある
各教習所によって対応は異なりますが、以下のようなスケジュールでバイク免許プランを実施していないところがあります。入校時期に注意しましょう。
▼バイク免許を実施していない時期の例
- 7月中旬~9月下旬、12月~3月は入校不可
- 7月下旬~9月中旬、11月~4月上旬は入校不可
- 1月中旬~3月は入校不可
- 1月中旬~3月下旬は入校不可
- 7月下旬~9月、11月~3月は入校不可
- 7月下旬~9月中旬、11月下旬~4月上旬は入校不可
おもに7~9月、11~3月といった夏休み、冬休み、春休みなどの長期休暇で繁忙期になる時期にバイク免許のプランを申し込めないことがあります。バイク免許を取得したい方は閑散期の申し込みがおすすめです。
3.不合格で延長する可能性もある
バイクの運転時は、段差で転倒しやすいので注意が必要です。さらに、重量のある車体を操作するのでバランス感覚など難易度の高い技術を要します。そのため、失敗につながりやすい操作が多くあります。特に、試験では緊張感も伴って上手くいかない可能性も考えられます。
最短日数にこだわりすぎると、教習や試験の際に焦りが出てしまうことがあるため、延長の可能性を考えて最短日数に数日プラスした余裕のあるスケジュールを組むことも大切です。
4.免許取得後すぐに二人乗りができない
『道路交通法』第71条の4 第7項により、バイク免許の取得後、1年間は二人乗りが禁止されています。
▼道路交通法 第71条の4 第7項
第八十四条第三項の普通自動二輪車免許を受けた者(同項の大型自動二輪車免許を現に受けている者を除く。)で、当該普通自動二輪車免許を受けていた期間(当該免許の効力が停止されていた期間を除く。)が通算して一年に達しないもの(当該免許を受けた日前六月以内に普通自動二輪車免許を受けていたことがある者その他の者で政令で定めるものを除く。)は、運転者以外の者を乗車させて普通自動二輪車を運転してはならない。 |
引用元:e-Gov法令検索『道路交通法』
1年経過後は一般道路のみでの走行が可能であり、高速道路の走行が可能になるのは3年を超えてからです。バイクの二人乗りを目的に免許取得を目指す方は、この点を理解しておきましょう。
出典:e-Gov法令検索『道路交通法』
魅力満載の合宿免許でバイク免許を取得しよう!
合宿免許でバイク免許を取得する際、現地での観光やグルメを堪能できるといった楽しみもあります。普通車免許とバイク免許を一緒に取得できる”同時教習”もあるため、より効率的に免許を取得したい方におすすめです。
ただし、バイク免許も人気のプランはすぐに空きがなくなってしまうため、合宿免許の参加を決めたら早めに申し込みしましょう。今回紹介した合宿免許でバイク免許を取得するメリットや注意すべきポイントなどを参考にして、ぜひプランを検討してみてください。