
自動車の運転を仕事にして安定したキャリアを築きたいと考える方には、「大型自動車第二種免許(以下、大型二種免許)」の取得がおすすめです。
大型二種免許はその名のとおり、大型車の運転免許であり、プロフェッショナルな資格の一つです。これを所持することで仕事の選択肢が大きく広がり、キャリアアップや転職に挑戦しやすくなることが期待できます。
しかし、自宅から教習所に通う「通学免許」では免許取得までに長い期間を要し、費用や生活の調整が負担になることも少なくありません。その点、「合宿免許」であればその負担も軽減できるのが魅力です。
この記事では、大型二種免許の基本知識をはじめ、合宿免許で取得するメリットや費用を抑えられる教育訓練給付金制度の活用方法をわかりやすく解説します。
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目次
大型二種免許とは?

大型二種免許は、乗客を安全に運ぶための大型車両を運転するドライバー向けの免許です。取得すると、観光バスや路線バス、スクールバス、営業用バスなど、定員30人以上の大型旅客自動車が運転できます。
同じ大型車両を扱う「大型一種免許」は、おもにトラックといった貨物輸送を目的としていますが、大型二種免許は料金を受け取る旅客輸送に特化しています。
取得には一定の年齢や運転経験などの条件を満たしたうえで、教習所での講習や試験への合格が必要です。乗客の安全を守るための技術や知識が求められる専門性の高い免許です。
大型二種免許で運転可能な車両タイプ
大型二種免許では、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車定員30人以上の「大型自動車」をはじめ、さまざまなタイプの車両を運転できます。おもに次のような車両が対象です。
▼運転することができる自動車の種類
- 大型自動車
- 中型自動車
- 準中型自動車
- 普通自動車
- 小型特殊自動車および一般原動機付自転車
大型二種免許を所持していれば、第一種免許で運転可能な車両を運転することができます。旅客運送用ではない上記の自動車も運転が可能なため、幅広い車種を扱うことが可能です。ただし、けん引車両や大型特殊自動車は対象外となります。
入校条件と受験資格

大型二種免許を取得するには、一定の運転経歴や身体条件などを満たす必要があります。特に、中型や普通自動車運転免許を所持していることが重要な前提条件です。
まだ運転免許を所持していない場合は、まずは以下の「運転免許経歴」に該当する免許を取得しましょう。
合宿免許さぽっとでは、普通免許の取得プランを用意しています。詳しくは『合宿免許さぽっと公式サイト』をご覧ください。
▼大型二種免許の受験条件
| 項目 | 条件 |
| 年齢 | 21歳以上(※特例あり) |
| 運転免許経歴 | 大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許のいずれかを所持し、通算3年以上の運転経験がある、またはほかの二種免許を取得している |
| 視力 | 両眼で0.8以上、かつ片眼で0.5以上 |
| 深視力 | 三桿法による奥行知覚検査で、3回の平均誤差が2cm以内 |
| 聴力 | 10mで90デシベルの警音器の音が聞こえる(補聴器使用可) |
| 色彩識別 | 赤・青・黄の識別が可能 |
| 特例(※) | 「受験資格特例教習」を修了した19歳以上かつ運転経験1年以上でも受験可能 |
警視庁『大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)』を基に作成
出典:警視庁『大型二種・中型二種・普通二種免許試験(指定教習所を卒業された方)』
合宿免許の日数と教習時限数

大型二種免許の合宿期間や教習時限数は、すでに所持している免許の種類(普通車・中型車など)によって異なります。また、教習所やプランによって細かな差もありますが、以下が一般的な目安です。
▼大型二種免許の合宿免許日数と時限数の目安
| 所持免許 | 段階 | 大型一種免許 | 中型免許MT(8t限定) | 準中型免許MT(5t限定)/普通免許MT | 準中型免許AT(5t限定)/普通免許AT |
| 学科教習 | 第1段階 | 7時限 | 7時限 | 7時限 | 7時限 |
| 第2段階 | 12時限 | 12時限 | 12時限 | 12時限 | |
| 技能教習 | 第1段階 | 8時限 | 12時限 | 15時限 | 19時限 |
| 第2段階 | 10時限 | 17時限 | 19時限 | 19時限 | |
| 最短日数 | 7日〜 | 13日〜 | 16日〜 | 18日〜 |
なお、普通AT限定免許を所持している方は、教習所によっては普通MT免許を取得してからの入校が必要となる場合があります。事前に各教習所の条件を確認しておくと安心です。
大型二種免許を取得するまでの流れ

大型二種免許の取得手順は、所持免許の種類によって異なりますが、基本的な流れは以下のとおりです。
1.入校と適性検査
最初に入校手続きを行い、適性検査を受けます。
2.第一段階の教習
所持免許の状況に応じて学科教習と技能教習が進められます。大型一種免許を持っていない場合は、修了検定と仮免学科試験の受験が必要です。合格すると仮免許証が交付され、次の段階へ進むことができます。すでに大型免許を所持している場合は、この修了検定が免除されます。
3.第二段階の教習
第二段階では、より実践的な内容に進みます。所持免許の種類ごとに規定の時限数に沿って教習を受けます。
4.卒業検定
すべての教習を修了後、教習所内のコースで卒業検定を受けます。合格すると卒業証明書が交付されます。
5.本免学科試験
教習所を卒業後、運転免許試験場で本免学科試験を受験します。
6.大型二種免許の交付
本免学科試験に合格後、免許センターにて大型二種免許証が交付されます。
なお、ほかの第二種免許をすでに所持している場合は、一部の学科教習や本免学科試験が免除される場合があります。詳細は各都道府県の公安委員会または教習所に確認しておくと安心です。
大型二種免許の費用相場

合宿免許で大型二種免許を取得する場合、料金は所持している免許の種類によって大きく異なります。大型二種免許プランの料金の目安は、以下のとおりです。
▼大型二種免許プランの費用相場
| 所持免許 | 価格 |
| 大型一種免許 | 27〜41万円 |
| 中型免許MT(8t限定) | 36〜53万円 |
| 準中型免許MT(5t限定)/普通免許MT | 41〜58万円 |
| 準中型免許AT(5t限定)/普通免許AT | 52〜55万円 |
また、大型二種免許とけん引免許や大型特殊免許を同時に取得できるセットプランを申し込める教習所もあります。
教育訓練給付金制度の活用方法
教育訓練給付金制度は、厚生労働省が定める「一般教育訓練給付制度」の一つで、一定の条件を満たした場合に、教習費用の一部(上限10万円)が支給される制度です。
合宿免許では大型二種免許のほか、以下のプランにも適用される場合があります。
▼対象の運転免許プラン
- 準中型免許
- 中型免許
- 大型免許
- 各種二種免許
- 大型特殊免許
- けん引免許
- 上記を組み合わせた複数車種同時教習プラン
▼給付を受けられる条件
- 雇用保険の加入期間が通算3年以上(初回利用の場合は1年以上)
- 離職日の翌日から1年以内に受講を開始していること
- 過去に給付を受けた場合、前回の利用から3年以上経過していること
※条件は合宿免許入校日の時点が基準となります。
給付金は教習修了後にハローワークへ申請することで支給され、受講費用に応じて金額(上限10万円)が算定されます。
給付制度を利用する際は、教習所が厚生労働大臣の指定を受けた一般教育訓練給付制度対象校であるかを事前に確認しておくと安心です。対象校のプランを選べば、費用を抑えながら効率的に大型二種免許を取得できます。
出典:厚生労働省『教育訓練給付金』
合宿免許で大型二種免許を取得するメリット

大型二種免許を取得したい方にとって、合宿免許はさまざまなメリットがあります。
ここでは、合宿免許のメリットを5つのポイントに分けて紹介します。
1.集中型カリキュラムで効率的に取得できる
合宿免許では、所持免許の種類に応じて、最短7〜18日間で教習を受けられるようカリキュラムが組まれています。通学免許での取得に比べて日数が短く、技能教習と学科教習を毎日受けられるため、短期間で効率よく免許取得を目指せます。
特に大型二種免許は、専門的な運転技術や旅客輸送の知識が必要なため難易度が高い資格ですが、合宿なら集中環境の中で学べるため理解と習得がスムーズです。
2.安いプランが多い
合宿免許では、教習費用に加え食事代や宿泊費などが含まれるプランが豊富です。学生寮やホテル、旅館といった宿泊施設やシングル、ツイン、相部屋などの部屋タイプがあり、予算や好みに応じて選択できます。
なかには、自炊可能な施設を備えたプランや季節限定キャンペーン、交通費支給制度を設けている教習所もあり、通常の通学よりも費用を抑えて受講できます。
3.資格取得で転職・キャリアが広がる

大型二種免許を持つことで、以下のような職種に挑戦できます。
▼大型二種免許で可能な職種
- 路線・送迎バス運転手
- 観光・貸切バス運転手
- ハイヤー運転手
- 介護タクシー・福祉輸送サービス
- 運転代行業
例えば、路線バスは安定収入と規則的な勤務体系が魅力で、観光バスは全国各地を走る楽しさがあります。また、ハイヤーや介護タクシーなどでは接客スキルや人とのかかわりが重視され、長期的なキャリア形成にもつながります。
大型二種免許を取ることで、自分の生活スタイルや条件に合わせた仕事を選びやすくなり、長く続けられるキャリアの選択肢が広がります。
4.観光気分も味わえる
合宿免許は地方で実施されていることが多く、自然が豊かな地域や観光地、温泉地の近くなど、その土地の魅力に触れる機会があります。教習の合間には温泉や地元グルメを楽しんだり、観光スポットを巡ったりと、ちょっとした旅行気分を楽しめます。
気分転換がしやすいため、リフレッシュしながら免許取得を目指せるメリットがあります。
5.同じ目標を持つ仲間を持てる
全国から免許取得を目指す方が集まるため、励まし合える仲間ができやすいのも合宿免許の特徴です。教習や食事、休憩時間を共に過ごすうちに自然と会話が生まれ、卒業後も連絡を取り合うケースも少なくありません。
新しい出会いを通じて、充実した時間を過ごせるのも合宿免許ならではの魅力です。
合宿免許がおすすめなタイプ

大型二種の合宿免許は、短期間で効率よく免許を取得したい方に特におすすめです。次のような方に向いています。
▼大型二種の合宿免許がおすすめの方
- 大型一種免許を持ち、次のステップに挑戦したい方
- 転職やキャリアアップを目指している方
- 集中できる環境でじっくり学びたい方
- 免許取得をきっかけに、新しい出会いや環境を楽しみたい方
- 自宅や職場の近くに大型二種免許対応の教習所がない方
大型二種免許を取得するには、自宅や勤務先から通う通学免許もありますが、合宿免許は短期間で集中的に学べるのが大きな魅力です。宿泊施設に滞在しながら、毎日教習を受けられるため、忙しい方や遠方からの参加も安心です。
限られた期間で確実に免許を取得したい方や、環境を変えて新しい一歩を踏み出したい方におすすめの選択肢といえます。
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大型二種免許は、高い運転技術と安全意識を求められるプロフェッショナルな資格です。大型車の運転を仕事にしたい方、バスドライバーとして新しいキャリアを築きたい方には、魅力的な選択といえるでしょう。ただし、運転技術だけでなく、各職種に沿った知識やスキルも必要です。
合宿免許なら、短期間で集中的に教習を受けられるだけでなく、費用を抑えながら安心して技術と知識を習得できます。効率的に免許を取得することで時間の余裕が生まれ、就職活動や専門スキルの習得に時間を充てることも可能になります。
今回の記事を参考に自分に合ったプランを選び、プロフェッショナルドライバーへの第一歩を踏み出しましょう。