
「短期間で運転免許を取りたい!」という人にとって、合宿免許は人気の取得方法です。
集中型のカリキュラムで教習やテストを進めるため、効率よく知識と技術を身につけられます。ただし、その分スピード感もあるため、しっかりとしたテスト対策が大切です。
一方で、実際に「どんなテストがあるの?」「合格するにはどうすればいいの?」と合宿免許でのテストのイメージをつかみにくい方も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では合宿免許で実施されるテストの内容と、合格へ向けたポイントや勉強方法を解説します。
関連記事:合宿免許の合格率と合格への近道|不安をなくす勉強法と教習所の選び方
目次
合宿免許で行われるテストの種類
合宿免許では、教習所に入校してから卒業までの間に複数のテストが行われます。
テストの種類と実施時期は、以下のとおりです。
▼テストの種類と実施時期
| テスト名 | 実施時期 | 形式 |
| 修了検定 | 第一段階 | 技能試験 |
| 仮免学科試験 | 第一段階 | 学科試験 |
| 卒業検定 | 第二段階 | 技能試験 |
| 本免学科試験 | 卒業後 | 学科試験 |
上記テストのほかにも、”効果測定”と”みきわめ”がテスト前に実施されます。効果測定は模擬試験、みきわめは運転技術の習得度を確認するために行われます。
第一段階の修了検定と仮免学科試験は仮免許証を取得するためのテストで、合格すると第二段階へ進みます。合格しなければ次の段階へ進めないため、テスト内容や流れを理解しておくことが大切です。
修了検定

修了検定は、第一段階の教習を終えたあとに行われる、最初の運転技能テストです。教習所内のコースで自動車を走行し、第一段階の教習で身につけた基本操作と安全確認が正しくできているかを確認します。
テストの内容
▼採点方式と合格基準
採点方式:100点満点からの減点方式
試験時間:10〜15分
合格点:70点以上
テストでは、交差点での一時停止違反や信号無視など、危険につながるミスがあるとその場で中止になるため注意が必要です。
チェック項目と対策ポイント
修了検定でチェックされる主なポイントは、以下のとおりです。
▼チェックされるポイント
- 発進前の安全確認(ミラー・後方・合図など)
- 発進・停車の手順
- 走行中の安全確認や判断(発進、停止、右左折、進路変更など)
- 指示に従った正しい操作
テストでは安全運転が厳しく採点されるため、安全確認を徹底しましょう。
発進や停止、坂道発進、S字、クランク、踏切通過といった課題の正確な操作もチェックされます。焦らずに『確認・合図・操作』の順番で丁寧に行うことがポイントです。
また、一時停止違反や信号無視は検定が即中止となるため、交通法規の順守も意識しておく必要があります。運転操作に集中しすぎると、つい速度の確認を忘れてしまうことがあるため、常に速度を意識して運転しましょう。
仮免学科試験

仮免学科試験では、第一段階で学んだ交通ルールやマナーの理解度がチェックされます。
テストの内容
▼出題形式と合格基準
- 出題形式:全50問の〇×問題(1問2点)
- 試験時間:30分
- 合格点:100点満点中90点以上
解答方法は〇か×を選ぶマークシート方式で、50問中45問以上が合格ラインです。
出題傾向と対策ポイント
仮免学科試験では、信号や標識、速度など、運転に関する基本ルールが中心に出題されます。特に、類似した用語の違いを狙った問題が多く見られます。例えば、”徐行”と”減速”など似ているようで意味が異なる言葉には注意しましょう。
問題文に「必ず」「絶対に」「すべて」といった断定的な表現が出てきたときは、「本当に例外はないかな?」と一度立ち止まって考えると落ち着いて答えられます。
また、数字を問う問題も多く出題されます。以下のように数値を正確に覚えておくとよいでしょう。
- 追い越し禁止は交差点や横断歩道の手前30メートル以内
- 駐停車禁止は横断歩道や自転車横断帯の端から5メートル以内
卒業検定

卒業検定は、第二段階の教習を終えたあとに行う最終技能テストです。教習の集大成として、実際の公道で安全に走行できるかがチェックされます。
検定員の指示に従って、教習所内のコースだけでなく路上でも走行します。
テストの内容
▼採点方式と合格基準
- 採点方式:100点満点からの減点方式
- 試験時間:約30分
- 合格点:70点以上
なお、検定員が危険を感じてブレーキを踏んだ場合は、その時点で不合格と判定されます。
チェック項目と対策ポイント
卒業検定では、基本操作だけでなく、実際の交通状況のなかで安全に走行できるかが重要です。
最も重視されるのは安全確認です。動きが小さいと確認不足と見なされることがあるため、ミラーを見るだけでなくしっかり顔を動かして目視することで、検定員に確認の動作が伝わります。
操作面では、エンスト、急ブレーキ、ふらつきなどが減点の対象です。発進や停止は落ち着いて行い、正確な停止位置と車間距離を保ちましょう。
公道では、渋滞や歩行者の飛び出しなど予期しない状況が起こることもあります。普段の技能教習で身につけた危険予測の判断をしっかりと行い、慌てずに安全を最優先に行動できれば合格率アップにつながります。
なお、卒業検定では基本的に高速道路での走行は行いません。
本免学科試験(卒業後)
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本免学科試験は、合宿免許を卒業したあとにうける最終試験です。住民票の住所を管轄する都道府県の運転免許試験場(免許センター)で実施されます。
合宿免許(指定自動車教習所)を卒業すると、本免技能試験は免除されます。ただし、卒業証明書には1年の有効期限があり、期限内に受験しないと技能試験の免除が無効になるため、早めに受験しましょう。
テストの内容
▼出題形式と合格基準
- 出題形式:全95問(〇×問題90問、イラスト問題5問)
- 試験時間:50分
- 合格点:100点満点中90点以上
出題傾向と対策ポイント
本免学科試験では、仮免学科試験よりも実践的で判断力が求められる広範囲の内容が出題されます。複雑な交通状況での判断や緊急時の対応、イラストを使った危険予測問題が含まれます。
なかでも混同しやすい問題が、”駐車”と”停止”、”追い越し”と”追い抜き”の違いです。例えば、消火栓の5メートル以内は駐車禁止、バス停の10メートル以内も駐車禁止ですが短時間の停車は可能です。
信号問題では、黄色の点滅は”注意して進行”を意味し、”一時停止”ではない点を覚えておきましょう。また、”徐行”は単なる減速ではなく、すぐに止まれる速度を意味します。
合図のタイミングもよく出題されます。進路変更は3秒前、右左折は30メートル手前で合図を出し、「安全確認 → 合図 → 操作」の正しい流れをしっかりと理解しておきましょう。
テストに合格するための勉強方法

合宿免許の最短日数は、普通車AT車を選択した場合は約14日、MT車は約16日です。短期間で卒業するためには、事前にどのように勉強を進めていくかを計画し、その流れに沿って取り組むことが必要です。
期間が短くても、日々の勉強をしっかり積み重ねていけば自信がつき、安心してテストに臨むことができます。
ここからは、合宿免許のテストに合格するための5つの勉強方法を紹介します。
1.早めに試験勉強を始める
合宿免許では、入校してから教習とテストのスケジュールが一気に進むため、早めに試験勉強を始めるようにしましょう。
特に学科試験は、交通ルールや標識の理解が欠かせません。ただ暗記するだけでなく、「どんな場面でこのルールを使うのか」を考えながら学習を進めていくと、技能教習と並行して理解しやすくなります。
早めに取り組んでおけば、テスト前に焦ることもありません。1日1〜2時間程度でもコツコツ勉強を続けることで知識が定着し、合格率アップにもつながります。
2.教本を徹底的に読み込む
仮免学科試験でも本免学科試験でも共通して、教本の内容をどれだけ理解しているかがポイントです。特に”標識・標示”、”追い越し禁止区間”、”駐停車禁止場所”などは、よく出題される範囲です。
教本を読むときは、ただ文字を追うのではなく、実際の交通場面をイメージしながら読み進めると記憶に残りやすくなります。わかりにくいと感じた部分はそのままにせず、何度か読み返してしっかり理解しておきましょう。
時間をかけて丁寧に読み込むことで、学科試験の得点アップだけでなく、技能試験中の判断力も養われます。
3.目標回数を設定して問題集を解く
学科試験では、言い回しや引っかけ問題にも注意しなければなりません。過去問や問題集を繰り返し解いて、出題パターンや言い回しのクセをつかみましょう。
例えば、標識の意味や優先道路の通行順などは、ほんの少し表現が変わるだけで迷いやすい問題です。何度も解くことで、微妙な違いにも冷静な対応力が身につきます。
また、『今日は20問解く』『1日30分は復習する』など、具体的な目標を立てて学習すると効率的です。間違えた問題には印をつけて、翌日にもう一度見直すことで記憶の定着率が格段に上がります。
4.苦手分野を重点的に取り組む
学科や技能の練習で「ここが苦手かも」と感じた部分は、そのままにせず早めに対処することが大切です。特に、技能教習では発進・停止や車庫入れ、右左折時の確認動作などでつまずく人が多く見られます。
苦手を見つけたら、まずは「なぜ間違えたのか」「なぜうまくいかなかったのか」を整理しましょう。そのうえで、教本を見直したり、指導員に質問したりすることでポイントをつかみやすくなります。
また、図解問題は実際の道路をイメージしながら解答したり、教習所の学習システムやアプリを活用したりすると効果的です。苦手分野を一つずつ克服していけば、学科試験でも技能検定でも安定した実力がつきます。
5.本番に近い環境で練習する
試験当日と同じような状況で練習しておくと、落ち着いて実力を発揮しやすくなります。学科試験なら制限時間を設定し、50問を一気に解く練習をしてみましょう。時間配分の感覚が身につくだけでなく、集中力を保つ練習にもなります。
技能試験の練習では、教習所内のコースだけでなく実際の道路を意識して走行します。教習中は指導員の説明をしっかり聞き、指摘された箇所の原因を振り返ることも必要です。ミスの理由を理解することで、同じ場面に遭遇しても慌てずに対応できる力が身につきます。
合宿免許のテストで落ちてしまったときの対処法

学科試験で不合格になっても、焦らず落ち着いて振り返ることが大切です。間違えた問題をメモしておくと、自分がどの部分を苦手としているのかを具体的に把握できます。次の受験に向けて、指導員に相談してアドバイスをもらうのもおすすめです。
合宿免許では、再度テストを受ける際に追加料金が発生したり、日程の延長や延泊が必要になったりすることがあります。再受験の料金や日程は、事前に確認しておくと、その場で慌てずに済みます。
また、合宿免許ではメリットの一つとして保証制度が用意されています。条件に該当すれば、延長しても追加料金がかからないため、保証制度のある合宿免許を選ぶと安心です。
なお、仮免学科試験で3回続けて不合格になった場合は、一時帰宅して運転免許センターで再受験し、合格すれば再び合宿先に戻って教習を続けることができます。
苦手な部分を少しずつ見直していけば、次の試験ではより安心して挑戦できます。合格を目指して、前向きに取り組みましょう。
【卒業生アンケート】空き時間の過ごし方で一番多かったのは”勉強”

合宿免許の卒業生へのアンケート結果では、教習の空き時間の過ごし方で最も多かったのは『勉強』で34.5% でした。そのほか、『観光』『ゲーム』『睡眠』『動画視聴』など、リラックスして過ごしていた人も多く見られました。
- アンケート期間:2024/4/17~5/22
- 対象:合宿さぽっとを利用して合宿教習所に入校した方
- 回答数:120
▼卒業生の声
「待機できるところで今までの復習とかテストに向けて勉強もっと時間があれば部屋に戻って寝る食事の準備をしておく掃除をする」
また、入校前は「本当に短期間で免許が取れるのかな」「テストに受かるか不安」という声も多くありましたが、実際には集中した環境や指導員のサポートにより、不安はすぐに解消されたようです。
▼卒業生の声
- 「ホントに2週間で免許は取れるかなと自信がなく不安だったけれど、逆に短期集中の密着型の授業だったので記憶が薄れる前に試験が受けれてとても良かった」
- 「テストで何回も落ちると思った 解消された」
「合宿免許で大変だったこと」として、短期集中型ならではのプレッシャーや環境の厳しさが挙げられましたが、多くの人が努力を重ねて乗り越えています。
▼卒業生の声
- 「短期のためテストに必ず一度で受からないとというプレッシャー」
- 「テストからテストまで短いから毎日必死で勉強して覚えた」
- 「時期が冬ということもあり、場所も東北だったので、関東に暮らす自分達には環境が違いすぎたこと。雪道での路上教習は本当に大変だった。」
「合宿免許を選んでよかったこと」としては、短期間で免許を取得できることに加え、仲間との出会いやサポートの充実が挙げられました。
▼卒業生の声
「早く取れるのはもちろん、知り合いもたくさんできとてもいい経験になるし、落ちたとしても補修や2回目のテスト料金がプラスでかからないのがありがたかった」
短期集中型の合宿免許は大変な面もありますが、周りの支えや充実したサポートがあったことで、多くの人が前向きに乗り越えています。
合宿免許のテストは早めの対策と毎日の積み重ねが大事!
合宿免許でテストに合格するには、早めの準備と日々の積み重ねが何より大切です。各テストにはチェック項目と出題傾向があります。教本を徹底的に読み込み、問題集を繰り返し解くことで、知識と自信を着実に積み上げることができます。
万が一テストに落ちてしまっても、焦らず原因を分析し、次の受験に向けてしっかり対策をとりましょう。また、手厚い保証制度のある合宿免許を選べばより安心です。
短期間で運転免許証を取得できる合宿免許だからこそ、計画的な学習とモチベーションの維持が重要です。