合宿免許は最短約 2週間で運転免許を取得でき、通学免許よりも格安プランが多いことから人気があります。実施する教習所や個人の教習進度によって多少の違いはありますが、普通車AT免許の場合は最短14日、MT車は16日で卒業が可能です。
これらのメリットから合宿免許を検討している方も多くいますが、「実際どのように過ごすのか分からない」と不安に思う方も少なくありません。
この記事では、教習の段階別での一日の流れや注意点、自由時間の過ごし方について解説します。
目次
合宿免許の一日の流れ
合宿免許の教習スケジュールは、選択する車種やプランによって異なります。ここでは普通車ATのプランで入校した場合、どのような流れで一日を過ごすか教習の段階別で紹介します。紹介する流れや時間は例のため、実際に入校する教習所と異なります。
初日
1.集合(11:00)
集合時間は、お昼前後に設定されています。教習所によって集合場所・時間が異なるため、事前に送付された案内を確認し時間に余裕を持って到着しましょう。
2.昼食(12:00)
食事付きプランの場合は、教習所や宿舎の食堂などで食事が用意されるのが一般的です。食事なしプランを選んだ場合は、近隣のコンビニやスーパーなどでお弁当などを買って各自食べてください。
3.入校手続き・合宿免許の説明(13:00)
入校条件として必要な書類などを提出したあとは、教習スケジュールや宿泊施設での規則、注意事項などについて説明を受けます。書類は持ち物に紛れてしまわないように、すぐに取り出せるように準備しておきましょう。
4.適性検査(14:00)
視力検査や聴力検査など、運転の状況判断能力・身体能力の検査が行われます。
5.先行学科(15:00~15:50)
”先行学科”とは、学科教習の1時限目にあたる「学科1」のことです。初めての授業では、運転の心得やモラル・道路交通法・標識などの基礎知識を学びます。
6.技能教習(16:00~16:50)
入校初日から技能教習の受講を開始します。始めは、シミュレーターを使用して車の各部位の名称や役割、自動車の操作方法について学びます。
7.夕食・自由時間(19:00)
食事付きプランの場合には教習所や宿泊施設の食堂で食事をとります。食事なしプランの場合には、各自お弁当や外食などで夕食を済ませます。夕食後は各自自由に過ごします。朝から慌ただしい環境のなかで過ごしたので疲労感もあるはずです。お風呂に入ってしっかりと疲れをとり、明日に備えて早めに就寝しましょう。
第一段階
1. 起床(6:30)
1時限目からの授業に遅れないように、時間に余裕を持って起床します。
2. 朝食(7:00)
食事付きプランでは、多くの場合宿泊施設の食堂で朝食が提供されますので、指定時間内に食事を済ませます。自炊プランの場合は自分で食事を作る自炊生活です。キッチン付きなのでしっかりと朝食を作って万全の体調で元気に朝を迎えましょう。
3. 教習所へ向けて出発(8:30)
宿泊施設が教習所敷地内の場合には教習所まで徒歩で向かいます。宿泊施設が学校から徒歩圏内でなくても、スクールバスで送迎があり交通費も無料なので安心です。乗り遅れないように乗車時間は厳守です。
4. 1時限目:学科教習(9:00~9:50)
学科教習は教室で教官から交通ルールや交通法令の遵守・モラルなどの基礎知識の説明を受けます。
5. 2時限目:学科教習(10:00~10:50)
引き続き学科教習を受けます。第一段階の最後の仮免許試験の交付に向けて、教習で学んだ知識をしっかりと頭に入れましょう。
6. 2時限分の空き時間(11:00~13:00)
まとまった空き時間があるので、友達と一緒にレンタサイクルを借りて近くのカフェでのんびり過ごしたり買い物に出かけたり、自習したりして過ごします。
7. 昼食(13:00)
昼食は教習所食堂でのランチが多いです。栄養バランスのよい食事でボリュームもあるので、毎日の食事が楽しみです。
8. 5時限目:技能教習(14:00~14:50)
校内の広々としたコースで、車の基本操作や、発進・停止・後退、坂道発進・S字カーブ・クランクなど運転走行の技術を学びます。
9. 6時限目の技能教習(15:00~15:50)
今日2回目の技能教習。第一段階では2時限まで教習を受けられるので、実際に上達しているのが実感できます。
10. 夕食・自由時間(19:00)
食事付きプランの場合は、宿泊施設に戻って食堂やレストランで定食・バイキングなどを楽しみます。地元の食材を使ったこだわりの食事を食べられるプランでは、合宿免許ならではのメリットを満喫できます。教本での試験対策と教習で指導してもらったことを復習したり、友達と談笑したりお風呂に入ったりしてゆっくり過ごします。
第二段階
1. 起床(8:00)
午前中の教習が遅めなのでゆっくりと起床します。
2. 朝食(8:30)
遅めの朝食をとって出発の準備をします。
3. 教習所に向けて出発(10:30)
徒歩やスクールバスで教習所へ出発します。
4. 3時限目:学科教習(11:00~11:50)
第二段階からは、授業の内容が実践的なレベルに進みます。試験の一発合格を目指して集中して教習を受けるのを習慣にしましょう。
5. 昼食(12:00~13:00)
教習所の食堂での昼食。「今日はどんなメニューかな?」と楽しみです。食事なしプランや自炊プランの場合は、各自用意したランチを楽しんでください。
6. 5時限目:技能教習(14:00~14:50)
路上コースでの教習はドキドキですが、教官がしっかりと指導してくれるので安心です。
7. 6時限目:学科教習(15:00~15:50)
学科教習は全部で26時限。授業内容を取りこぼさないように、毎日真剣に授業を受けましょう。分からない部分があれば、すぐに教官に質問して解消してください!
8. 7時限目:技能教習(16:00~16:50)
今日2回目の技能教習。夕方の運転は昼間と見え方が変わるので、注意が必要です。経験を積んで早く慣れるように頑張りましょう。
9. 夕食・自由時間(19:00)
宿泊施設の食堂での夕定食やバイキングは日替わりメニューが多いので、飽きることなく楽しめます。食事なしプランならその日の気分でお弁当や外食を選べます。リフレッシュのために夕食後は近くの温泉施設へ行くのもおすすめです。疲れも癒されます。忘れずに今日の復習をして就寝しましょう。
オンデマンド教習の選択もある
合宿免許のプランによっては、学科教習の一部でオンデマンド教習を採用しているところがあります。オンデマンド教習は自分のタイミングとペースに合わせて教習を受けられるため、早起きが苦手な方や観光に時間を費やしたいという方にぴったりです。
ただし、教習スケジュールを自分で組み立てなければならないことから自己管理も必要です。
一日に確保できる自由時間
合宿免許では毎日教習が行われますが、自由時間も十分に確保できます。では、どのような時間が自由時間にあたるのでしょうか。
教習と教習の合間の時間
まずは、教習と教習の間の休憩時間が挙げられます。基本的に1時限あたりの教習時間は50分です。教習と教習の合間には10分間の休憩時間があります。数時限分の教習が連続する日もあれば、数時限分教習が空く日もあります。例えば、1時限の空きがある場合には、教習時間の50分とその前後の休憩時間の20分(10分×2)が自由時間にあてはまります。
昼食の前後が空いている場合は、ゆっくり食事ができます。食事なしプランなら近くのカフェや食堂、レストランなどに行くのもおすすめです。
全教習終了後の時間
一日の教習時限数は、その日の時間割によって変わります。教習時限数が少なく午前中に教習が集中する日は、午後から自由時間になることもあります。そのような日には、遠出をして観光やショッピングを楽しむことも可能です。
自由時間の過ごし方
期間中は、教習の合間のスキマ時間や数時間続く空き時間、教習後の時間などさまざまな自由時間が取れます。その場の思い付きで過ごすのもよいですが、せっかくなら有意義に過ごしたいところです。ここでは、おすすめの過ごし方を4つ紹介します。
1.自習する
休憩時間や教習が1時限空いている時などは、自習するのがおすすめです。合宿免許を最短で卒業するために最も大切なことは、試験の一発合格です。
その日に習った内容を忘れないうちに復習をしたり、教習所の学習機やアプリなどを利用して試験対策問題を解いたり、限られた時間を有効に活用して勉強できることは多いものです。合格への可能性を高めるためにとても役立ちます。
2.ほかの教習生と親交を深める
合宿免許は全国各地から数多くの教習生が集まるため、ほか教習生と会話をしたり、一緒にレジャーを楽しめたりします。短時間の自由時間でも回を重ねるごとに親交を深めることができます。友達を作りたい方にはぴったりの過ごし方です。
カフェやレストラン併設の教習所では、女性の教習生同士で女子会を開くこともできます。
3.買い物や散歩に出かける
買い物や散歩に出かけるのも気分転換になるのでおすすめです。レンタサイクルがあればサイクリングでリフレッシュもできます。教習所の周辺にスーパーがある場合、自炊プランの方は食材の買い出しもできます。
また、宿舎が教習所敷地内にある場合には自分の部屋にすぐ戻れるため、体を休めるのも大切です。
4.観光やレジャーに出かける
教習が早めに終わった日は、遠出をして観光やレジャーに出かけられます。観光地や温泉地に近い場合は、効率的に観光スポット巡りもできます。
希望者や女性限定で施設の利用券が付く特典もあります。観光メインで過ごしたい方は、エリアや特典など条件を絞ってプラン選びをするのもおすすめです。
基本的に入校日当日に時間割が配られますので、自由時間をまとめて取れる日があれば、早めに計画しておくとよいでしょう。
合宿免許のスケジュールに関する注意点
教習や滞在するうえで合宿免許特有の規定があります。その一部を紹介します。
1.一日の技能教習の時限数は規定がある
合宿免許では短期間で卒業できるとはいえ、車の運転を早く身につけるために技能教習をまとめて受けたいと思っても、一日に受けられる教習時限数が制限されています。
第一段階は2時限まで、第二段階は3時限までです。3時限連続での教習は受けられません。最短日数で卒業できるように決められたスケジュールに沿って毎日コツコツと教習を受け、一発合格を狙いましょう。
2.休日のないプランが多い
多くの教習所では基本的に丸一日の休日はありません。ただし、教習所によっては事前申請で休日を追加できる場合があります。また、年末年始をまたぐプランでは一時的に休校になるため、休日が発生します。
参加期間中に休日を利用して楽しみたい方は、休日を追加できるプラン、もしくは年末年始をまたぐプランを選んでみてはいかがでしょうか。
3.宿泊施設によって門限がある
合宿免許では基本的に門限が設けられており、時間は宿泊施設によって異なります。ホテルは一般客も利用するため24時間玄関は空いていますが、教習生はルールとして門限が決められています。
一部門限のない宿泊施設がありますが、翌日の教習に影響を及ぼさないように早めに部屋に戻ることをおすすめします。
一日の流れを理解して合宿免許を有意義に過ごそう!
多くの場合入校日当日にスケジュールが分かります。昼夜逆転の生活にならないように、規則正しい生活を心がけましょう。遅刻や寝坊によって合宿期間が延長になってしまうと卒業日がどんどん遅くなってしまいます。
なお、合宿免許は毎日教習が行われるため、「あまり自由時間がないのではないか」と不安に感じる方もいるでしょう。しかし、一日の流れを見ると教習の間が空いていたり、連続した教習でも午後の早い時間に終わったり、意外と自由時間はあります。自由時間には、観光したり現地のグルメを堪能したり、全国から集まる教習生と過ごしたりしてリフレッシュしましょう。