
合宿免許は、効率的に運転免許の取得を目指せるメリットがあります。しかし、初めての運転や集中的な教習に戸惑い、「本当に合格できるの?」「どの教習所を選べばいい?」「試験に落ちたらどうしよう……」と不安に感じる人も少なくありません。
実際の合格率を知り、試験対策の方法を把握しておけば、こうした不安を解消できます。
本記事では、合宿免許の合格率や合格率を上げるコツ、失敗しない教習所の選び方について解説します。
関連記事:合宿免許で運転免許を絶対取れる? その理由と一発合格を狙うポイント
目次
合宿免許の合格率はどのくらい?

はじめに、運転免許を取得するまでの試験の流れを説明します。
| 段階 | 種類 | 内容 |
| 第一段階 | 1.効果測定 | 基礎知識の習得レベルを確認 |
| 2.みきわめ | 場内コースで運転の基本操作の習熟度を確認 | |
| 3.修了検定 | 場内コースでの技能試験 | |
| 4.仮免学科試験 | 仮免許証を取得するための学科試験 | |
| 第二段階 | 5.効果測定 | 習得レベルを総合的に確認 |
| 6.みきわめ | 路上コースで運転の基本的・応用的な技術の習熟度を確認 | |
| 7.卒業検定(卒検) | 路上と場内コースでの技能試験 | |
| 卒業後 | 8.本免学科試験 | 運転免許試験場での最終試験 |
運転免許を取得するには、これらすべてに合格する必要があります。1~7は合宿免許を実施する”指定自動車教習所”で行われ、合格基準は全国で統一されています。ただし効果測定やみきわめは、試験形式や合格ラインが教習所ごとに異なる点に注意しましょう。
仮免許試験

第一段階では、仮免学科試験と修了検定が行われます。このうち、数値が正式に公表されているのは仮免学科試験です。警察庁の調査によると、令和6年の合格率は以下のとおりです。
▼仮免学科試験の合格率
| 免許の種類 | 合格率 |
| AT限定 | 78.8% |
| MT | 81.2% |
警察庁 交通局運転免許課『運転免許統計 令和6年版』を基に作成
仮免学科試験は、〇×形式で出題され100点満点中90点以上で合格です。修了検定は減点方式で採点され、70点以上で合格となります。
コーディネーターからの
ひとこと
仮免許試験の合格率は教習所によってほとんど差はないといえます。しかし、卒業検定は、全国で採点するポイントは同じでも、教官や教習所のスタイル等によって試験の難易度や合格率が変わってくるともいわれています。
とはいえ、日本の法律は全国同じであり、運転免許の取得に必要な知識や運転技術も場所による違いはありません。そのため、合格率や試験の難易度に大きな差があるわけではありません。教習を真面目に受け、しっかりと準備をしていれば、通過できる難易度ですので、怖がる必要はありません。
卒業検定

卒業検定の合格率はおよそ90%とされています。試験は路上走行と場内での課題走行で行われ、100点満点からの減点方式で70点以上が合格です。
卒業検定は、大学受験や資格試験のように“ふるい落とす”ためのものではなく、安全に運転できるかを確認するための試験です。
合格の割合が高いのは、試験が簡単だからではありません。事前に「みきわめ」で基準をクリアした人だけが受験できる仕組みだからです。この段階を通過した人だけが卒業検定を受けられるため、結果として合格率が高くなる傾向があります。
関連記事:合宿免許の卒検は学科試験なし?試験内容や合格のコツを解説
本免学科試験

最後の関門が本免学科試験です。〇×の選択式問題が95問出題され、100点満点中90点以上で合格となります。
警察庁が公表している資料『運転免許統計 令和6年』によると、本免学科試験の合格率は以下のとおりです。
▼本免学科試験の合格率
| 免許の種類 | 合格率 |
| AT限定 | 67.6% |
| MT | 74.4% |
警察庁 交通局運転免許課『運転免許統計 令和6年版』を基に作成
合宿免許はストレートで卒業できたものの、学科試験が合格できずに再受験が必要になるケースも珍しくありません。過去問題を何度も解き、試験問題に慣れておくことが大切です。
出典:警察庁 交通局運転免許課『運転免許統計 令和6年版』
合宿免許の合格率が高い理由
合宿免許の合格率が高い傾向にあるのは、以下のような理由が考えられます。
- 短期間での集中学習
- 仲間と一緒に学習できる環境
- 学習の繰り返しが容易
- 教官による個別サポート
合宿免許では、最短約2週間のスケジュールで学科と技能を連続して学びます。そのため、知識や操作が定着しやすく、忘れにくいメリットがあります。同時に、同じ目標を持つ仲間と励まし合ったり、教官のアドバイスで苦手を少しずつ克服したりできるのも特徴です。
このように、毎日コツコツ練習と復習を重ねる環境が、自然と高い合格率につながっています。
不合格になった場合の対応

試験対策をしっかり行っても、その日の体調や緊張などで不合格になることがあります。万が一不合格になった場合でも、合宿免許では保証制度などのサポートがあるため安心です。あらかじめ次の点をチェックしておきましょう。
- 追加料金が発生する可能性があるか
- 延泊・延長保証の範囲
プランによっては追加料金が発生することもあるため、事前に確認しておくと安心です。ただし、仮免学科試験に3回不合格になると一時帰宅となり、合格後に再入校が必要になります。
条件や手順を把握しておけば、万が一の不合格時も落ち着いて対応でき、余裕を持って試験に臨めます。
合格率を上げるためのコツ
ここでは、合格率を上げるための3つの方法を紹介します。
模擬試験形式でアウトプット練習をする

学科試験の勉強では、過去問題集や模擬試験を活用し、実際に問題を解く練習を繰り返す方法が効果的です。問題を解くだけでなく、間違えた箇所や理解があいまいな部分を整理して復習することで、知識がしっかり定着します。
スマホアプリや学習サイトを活用すれば、移動時間や休憩中にも勉強でき便利です。日々の復習に加えてアウトプットを意識することで、出題傾向への対応力が身につき、合格に近づけます。
コーディネーターからの
ひとこと
最近は、教本や試験対策として使用する教材に、教習生のみなさんが興味を持ちやすい漫画やアニメなどを交えて楽しく学べるよう工夫されています。また、オンラインでも練習問題ができるようになるなど、移動中やスキマ時間にも気軽に試験対策ができるようになりました。
さらに、教習所での指導も徐々に変化しつつあります。指導員たちが『ほめ達』検定で級を取得し、教習生のモチベーションを高めるような取り組みを行う教習所もあります。アプリを利用して自主学習を続けたり、試験や教習内容で分からないことがあれば、空き時間を利用して指導員に質問したりして、無理のない範囲で試験対策を行うのがおすすめです。
技能教習は「失敗ノート」で弱点を克服する

技能教習では、つまずいた操作や失敗したポイントを記録する「失敗ノート」を作るのがおすすめです。例えば、坂道発進や縦列駐車など、減点につながりやすい項目をメモし、次回の練習で意識して取り組みましょう。
また、教官からの指摘も記録しておけば、チェックリストのように使えて効果的です。苦手を整理して頭に入れておくことで、検定での減点を減らしやすくなります。
コーディネーターからの
ひとこと
技能試験では減点方式で採点が行われます。おもな減点のポイントとして以下が挙げられます。
- 発進する前にバックミラーやサイドミラーを確認しなかった
- シートベルトを締め忘れた
- 進路変更時や右左折時に合図を正しく出せなかった
- 運転時の姿勢が悪かった など
これらの項目をはじめ、減点項目が細かく決められていますので、教習中に指導・指摘されたことは意識して改善に励むようにしましょう。また、MTの場合、クラッチの操作で焦って操作ミスをしてしまわないように、練習やイメージトレーニングをしておくことも大切です。
教官のフィードバックを“言葉ごと”活用する

教官からの注意やアドバイスは、一言一句に意味があります。例えば「右折時の速度が速い」「ハンドル操作が雑になりやすい」といった具体的な指摘を受けたら、そのまま練習に反映させましょう。
この繰り返しが技能試験での減点防止につながります。さらに、運転の感覚と学科知識を関連づけることで、理解が深まり効率的な試験対策が可能になります。
合格率が高い教習所を選ぶポイント
これまで合格率や試験対策のコツについて説明してきましたが、「どの教習所なら合格しやすいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
ここからは、合格率が高い教習所を選ぶための3つのポイントを紹介します。自分に合った教習所を見極める参考にしてください。
口コミや卒業生の声
卒業生の声や口コミからは、数字だけでは分からない実際の様子を知ることができます。口コミが役立つ理由は、体験者のリアルな意見を通して指導の丁寧さや設備の使いやすさ、宿舎での生活環境などがイメージしやすく、不安解消につなげられる点にあります。
『合宿免許さぽっと』を利用した教習生からは、次のような声が寄せられています。
▼卒業生の声
- 「殆どの講師の方が優しく丁寧に教えて下さって分かりやすかったです。何をどう勉強したら仮免や卒検を合格できるのか、というのがしっかりわかった状態で勉強出来るので安心感がありました」
- 「先生方も優しく教えてくださったので合格することができました」
- 「指導員が苦手な方を重点的に指導してくださったのでありがたかった」
- 「教習所の教官、スタッフさんみなさん良い方ばかりで来た当初の不安はすぐに無くなるくらい安心して教習できる場所だった。担当の教官の方もすごく丁寧に指導してくださったので、短期間でも集中して取ることができ充実した期間を過ごすことができた」
関連記事:卒業生に聞いた! 合宿免許の体験談・感想と人気の理由
保証の充実さ
合宿免許では、試験不合格や補習に備えて保証制度が設けられています。保証が充実している教習所であれば、不安を抱えずに落ち着いて教習や試験に臨めるため、結果的に合格率の高さにもつながります。
ただし、延長が無料で対応されるのか、あるいは追加の費用が発生するのかはプランによって異なります。そのため、保証条件を確認しておくことが必要です。
関連記事:合宿免許の保証制度とは? 補習や試験不合格時の保証内容を徹底解説
教習所や宿舎の環境

2週間ほど合宿生活をするため、教習所や宿舎の環境はとても大切です。勉強や運転に集中できる設備が整っていることはもちろん、宿舎の居心地も確認しておきたいポイントです。
自由時間にリラックスできるスペースがあれば気分の切り替えがしやすく、毎日の教習や勉強にも前向きに取り組めます。さらに、宿舎や周辺の環境が安全だと余計な心配をせずに済み、学習に集中できます。
関連記事:合宿免許のホテルプランで充実生活! メリットと選び方
自分に合った教習所を選んで合格への一歩を踏み出そう
合宿免許は短期間で効率よく学べる環境が整っているため、試験の合格率が高い傾向にあり、多くの教習生が最短日数で卒業しています。万が一試験に不合格になっても、延長サポートが用意されており、落ち着いて取り組むことができます。
ただし、不安を抱えず集中して学習を進めるには、自分に合った教習所を選ぶことが欠かせません。口コミや卒業生の声を参考にしたり、保証内容や宿舎の環境を比較したりすることで、自分に合ったプランを見つけやすくなります。
コーディネーターからの
ひとこと
教習所から無事に卒業証書をもらってホッとしたのも束の間、本免学科試験の受験のためしっかり試験勉強の対策を行わなければいけません。
また、住民票に記載されている住所が管轄している免許センターで試験になるため、遠方に足を運ばないといけない方もいるのではないでしょうか。本免学科試験は免許センターによっては予約制となっているため、予約がいっぱいで試験日が先になってしまうことも少なくありません。教習所の卒業が決まったら、本免学科試験の日程も忘れず早めにスケジュールを立てましょう!