原付バイクを運転するには免許が必要です。試験に合格するだけではなく、免許取得後に原付講習を受けることも義務付けられています。
合宿免許で原付免許を取りたいと考える人もいるかもしれません。しかし、「合宿免許で原付免許は取れるのか?」「原付講習は教習所で受けられるのか?」「そもそも原付講習とは何か?」などの疑問を持つ人も多いでしょう。
そこで本記事では、原付バイクの基本情報やバイク免許の種類、取得方法、さらには原付講習の流れまでを詳しく解説します。
目次
原付バイクとは?
原付バイクの正式名称は『原動機付自転車』です。エンジンやモーターを搭載した二輪車で、もともとは自転車に原動機を取り付けたことから発展しました。排気量の定義は、法律によって異なります。道路交通法では50cc以下、道路運送車両法では125cc以下も含まれます。
排気量によって原付バイクには違いがあります。
▼排気量による原付バイクの違い
項目 | ~50cc | 50cc超~90cc | 90cc超~125cc | |
車両の区分 | 道路運送車両法 | 第一種原動機付自転車(原付一種) | 第二種原動機付自転車 (原付二種) |
|
道路交通法 | 原付 | 普通自動二輪 | ||
免許の種類 | 原付免許 | 小型限定普通二輪免許 | 普通二輪免許 | |
ナンバープレート | 白 | 黄 | ピンク | |
法定速度 | 最高30km/h | 最高60km/h | ||
運転ルール | 高速道路走行禁止 2人乗り禁止 交差点での二段階右折 |
高速道路走行禁止 免許取得後1年経過で2人乗り可 |
新基準原付の導入について
『新基準原付』とは、2025年4月1日から導入される新しいバイクの区分です。対象は、50cc以下の原付一種です。
現行の原付免許では排気量50cc以下のバイクしか運転できませんが、新基準原付の導入により、条件付きで新たに排気量50cc超~125cc以下のバイクも運転可能になります。
新基準原付の導入以降と現行の違いは、以下のとおりです。運転できる原付の排気量が変わることが主で、最高速度や禁止行為の変更はないため、注意しましょう。
▼新基準原付の導入以降と現行の違い
項目 | 現行 | 新基準原付 |
排気量 | 50cc以下 | ・50cc以下
・50cc超~125cc以下かつ、最高出力が4.0kW以下 |
免許 | 原付免許 | 原付免許 ※~125cc(最高出力4kW以下)のみ |
最高速度 | 最高30km/h | 最高30km/h |
二段階右折義務 | あり | あり |
二人乗り可否 | 禁止 | 禁止 |
バイク免許の種類と違い
原付免許で運転できる原動機付自転車以外にも、バイクには複数の種類があります。それぞれの運転免許の種類と違いを説明します。
バイク免許の種類
バイク免許には7種類があり、以下のように運転できる車種と年齢の取得条件が異なります。
▼バイク免許の種類と違い
免許名 | 運転可能車種 | 年齢資格 |
原動機付自転車免許 | 排気量50cc以下(※) ※2025年4月以降はl 50cc超~125cc以下かつ、最高出力が4.0kW以下も追加 |
16歳以上 |
小型限定普通二輪免許/AT限定 | 排気量125cc以下 | |
普通二輪免許/AT限定 | 排気量400cc以下 | |
大型二輪免許/AT限定 | すべてのバイク | 18歳以上 |
各バイク免許におすすめの人
バイク免許では、運転の目的に応じて車種に合った免許を選べます。ここでは、免許ごとにどのようなタイプの人がおすすめなのかを紹介します。
▼おすすめの人
免許名 | 特徴とおすすめの人 |
原動機付自転車免許 | ・短距離の移動に向いている
・初心者、通学利用、普段の買い物に利用したい人 |
小型限定普通二輪免許/AT限定 | ・AT限定はクラッチ操作が不要で運転しやすい
・初心者や気軽に運転を楽しみたい人 |
普通二輪免許/AT限定 | ・小型限定と比べるとパワーと車体サイズが大きい
・高速道路での運転も可能 ・中級者、スピード感を体感しながら走行したい人 |
大型二輪免許/AT限定 | ・重量がありサイズも大きいため、バランスを取るのが難しい
・運転には高度な操作技術と経験が必要 ・上級者、長距離のツーリングを楽しみたい人 |
バイク免許は、用途や運転スキルに応じて選ぶことが大切です。初心者は原付や小型二輪、中級者以上は普通二輪や大型二輪と、自分の目的に合った免許を取得しましょう。
合宿免許で原付免許は取得できる?
教習所でしっかりと学びたい方や独学で学科試験に合格できるか不安な方もいるでしょう。原付免許は最短1日で取得可能なため、合宿免許では原付免許専用のプランを用意している教習所はほとんどありません。
しかし、普通二輪免許や大型二輪免許、普通自動車免許(AT・MT)や大型免許を取得すれば、原付免許がなくても原付バイクを運転できます。
これらの免許を取得すれば、原付だけでなくさまざまな車両を運転できるため、より実用的です。
原付免許の取得方法と必要なもの
原付免許のみを取得する場合、運転免許試験場(運転免許センター)で以下の流れで受験できます。
▼原付免許取得の流れ
- 受付
- 適性検査
- 学科試験(50問・30分)
- 原付講習(3時間)
- 免許交付
学科試験では交通ルールやマナーに関する問題が出題されます。試験時間は30分で、合格基準は50問中45問以上正解(90%以上)です。学科試験に合格後、3時間の講習を受ける必要があります。
なお、都道府県によっては予約が必要な地域もあるため、事前に運転免許試験場Webサイトなどで確認し、必要に応じて予約を済ませてください。
▼必要な書類
- 住民票の写し(本籍地記載・マイナンバーの記載なし)
- 写真(縦3cm×横2.4cm、6か月以内に撮影したもの)
- 本人確認書類(健康保険証、マイナンバーカード、住民基本台帳カード、パスポートなど)
- 運転免許証(既存)または外国人登録証明書等
- 手数料
受験は、平日のみ実施されるところが多いです。また費用もかかり受験会場での支払いですので、忘れずに手数料を持参しましょう。
出典:警視庁『原付免許試験』
原付講習の仕組みと流れ
合宿免許や通学免許で普通車免許を取得する際は、原付講習の受講のみで運転できるようになります。別途学科試験を受験する必要はありません。
講習時間は約3時間で、座学と実技を学びます。座学では安全運転の知識、実技では基本操作や基本走行、応用走行などの指導を受けます。
原付講習の流れは以下のとおりです。
- 受講申込
- 原付講習の受講
- 原付講習終了証明書の交付
受講当日は、長袖、長ズボン、運動靴の服装(サンダルやハイヒールなどは不可)で受講してください。
原付を運転するなら合宿免許がおすすめ!
原付バイクを運転するためには、必ずしも原付免許を取得する必要はありません。合宿免許を利用して普通車免許や普通自動二輪免許を取得すれば、原付バイクを運転できます。
合宿免許は全国の教習所で実施されており、普通車では最短日数14日で卒業できることから人気があります。通学免許よりも短期間で免許を取得できるだけでなく、宿泊施設や食事が用意されているため、安心して教習に集中できるでしょう。
エリアによっては観光を楽しめるところやこだわりの宿舎、温泉付きのホテルプランなどもあり、快適な環境で過ごしたい方にもおすすめです。格安プランやキャンペーン付きプランもあるため、早めに予約をすることでお得に免許を取得できます。
原付も運転できる! 合宿免許で普通二輪・普通自動車免許の取得を目指そう
単独で原付免許を取得する場合は、試験と原付講習を受ける必要があります。しかし、原付免許を取得しなくても、普通車免許や普通二輪・大型二輪免許を取得すれば原付バイクの運転が可能です。
合宿免許なら最短日数で卒業できるため、スムーズに免許を取得したい方に最適です。観光や温泉などを楽しめたり、お得に参加できたりするプランもあります。
将来的に普通車や普通二輪の運転を考えている方は、合宿免許での免許取得を検討してみてはいかがでしょうか。