運転免許の取得を目指す際、「学科試験に合格できるか不安」「できれば教習の負担を減らしたい」と思う方は多いでしょう。合宿免許では、一定の条件を満たす方であれば学科の教習や試験が免除され、最短卒業を目指せる場合があります。
しかし、学科免除には明確な条件があり、誰でも対象になるわけではありません。そのため、まずは自分が該当するかどうかを確認する必要があります。
本記事では、学科免除の条件と免除内容、さらに対象外の方が一発合格を目指すための対策方法について紹介します。
関連記事:合宿免許の合格率をチェック! 試験を一発合格するコツとおすすめプラン11選
目次
合宿免許における学科免除とは?
合宿免許では、特定の運転免許証を所持している場合、学科教習や一部の技能教習の受講が免除されることがあります。これは、所持免許を取得する際にすでに学科教習を受けており、運転に必要な基本知識を習得していると見なされるためです。
学科免除を受けるには、合宿免許を実施する指定自動車教習所で、予約の際に対象の免許所持者であることを伝え、入校時に運転免許証の原本を提示する必要があります。そのため、入校日には忘れずに持参しましょう。
さらに、学科免除によって教習時限数や試験の回数が減ることで、通常よりも短期間で卒業できるプランや料金割引が適用されるプランもあります。これは大きなメリットといえるでしょう。
学科免除が適用される条件
学科免除が適用されるかどうかは、所持免許の種類によって異なります。基本的に、以下の免許を所持していると、第一段階の学科教習が免除されます。
- 普通二輪免許
- 大型二輪免許
一方、原付免許のみ所持している方や免許を持っていない方は、原則として26時限分の学科教習を受ける必要があります。
ただし、適用条件は教習所ごとに異なるため、入校前にしっかりと確認しておくことが大切です。
学科免除の内容
学科免除の一般的な内容は、以下のとおりです。
▼学科免除の内容
教習 | 通常の時限数 | 対象カリキュラム |
第一段階(学科) | 10時限 | すべて免除 |
第二段階(学科) | 16時限 | 2時限のみ受講 |
効果測定 | 2回 | 免除 |
仮免学科試験 | 50問(45点合格) | 免除 |
学科免除では、教習の総時限数が短くなるだけでなく、技能教習が2時限減免される場合もあります。このように免除を受けることで時間に余裕ができ、技能教習や修了検定、卒業検定に集中しやすくなります。
ただし、教習所によって実施の有無や対応が異なるため、事前に確認しておきましょう。
学科試験の免除は仮免と本免の2回
普通車免許を取得する場合、学科試験において免除になるのは、第一段階の仮免学科試験と、卒業後の本免学科試験です。
▼学科試験の免除一覧表
免許の種類 | 所持免許(※) | |||||
大型 | 中型 | 準中型 | 普通 | 大型二輪 | 普通 二輪 |
|
普通免許 | 受験不要 | 受験不要 | 受験不要 | 免除 | ||
準中型免許 | 受験不要 | 受験不要 | 免除 | 免除 | ||
中型免許 | 受験不要 | 免除 | 免除 | 資格なし | ||
大型免許 | 免除 | 免除 | 免除 | 資格なし | ||
普通仮免許 | 受験不要 | 受験不要 | 受験不要 | 受験不要 | 免除 | 免除 |
準中型仮免許 | 受験不要 | 受験不要 | 受験不要 | 免除 | 免除 | 免除 |
中型仮免許 | 受験不要 | 受験不要 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
大型仮免許 | 受験不要 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 | 免除 |
神奈川県警察『試験が免除される場合について』をもとに作成
※すべて第一種免許が対象です。
指定自動車教習所の卒業生は、卒業後教習所が発行した卒業証明書を持参すると、各都道府県の運転免許試験場(免許センター)で技能試験が免除されます。
学科免除対象者は、本免学科試験の受験も不要です。必要な手続きと適性検査を受けるだけで、運転免許証が交付されます。
通常の免許取得方法と、流れや手続き方法、教習スケジュールが異なるため、事前の確認が必要です。
出典:神奈川県警察『試験が免除される場合について』
【免除非対象者向け】学科試験に一発合格するための攻略法
普通免許取得者の多くは、二輪免許を所持していないため、基本的には学科免除ではありません。そのため、できるだけ最短日数で合宿免許を卒業し、免許を取得するには、学科試験を一発で合格する必要があります。
学科試験は単なる暗記では対応しきれない部分もあるため、限られた時間のなかでどれだけ効率よく準備を進めるかが重要です。
ここでは、一発合格を目指すために押さえておきたい5つのポイントを説明します。
1.間違えやすい標識・交通法規を押さえる
学科試験では、安全な交通に関わる標識や法規の違いが問われます。特に”駐車”と”停車”の違いは混同されがちです。
▼間違えやすい用語の例
用語 | 意味 |
駐車 | 車両が路上で継続的に停止し、運転者が離れてすぐに走行できない状態 |
停車 | 人の乗り降りや荷物の積み下ろしなどを「5分以内」で行うための一時的な停止。運転者が車内にいて、すぐに操作できる状態。 |
”駐車禁止”(例:駐車場の出入口3m以内)は短時間の停車は可能ですが、”駐停車禁止”(例:交差点5m以内、踏切前後10m以内)では停車もできません。標識や距離条件を誤ると危険な判断につながるため、正確に覚えておきましょう。
2.過去問題を徹底的に繰り返す
知識を一度覚えただけで安心してしまうと、本番でうっかりミスをしてしまう危険があります。過去問題では、正確に答えられるようになるまで繰り返すことが重要です。
繰り返し取り組むことで知識が定着し、似たような選択肢のひっかけポイントにも気づきやすくなります。また、過去問題を解く過程で、自分が間違えやすい箇所や理解の浅い分野を把握できるため、効率的に弱点を補えます。
答え合わせだけでなく、なぜ正しいか・誤りかというところまで丁寧にチェックできると、表面的な記憶ではなく応用力が身につきます。なお、スマホの学習アプリなども活用すれば、スキマ時間にも学習を進めやすくなります。
3.学科試験の形式や時間配分に慣れる
あらかじめ試験の出題形式や流れ、制限時間を把握しておくと、試験当日に焦らず回答を進められます。
仮免学科試験の出題形式は○×問題で、50問を30分以内に解く必要があります。この時間配分に慣れていないと、見直しの時間が取れない可能性があります。
受験直前には、模擬テスト形式の問題を実際の制限時間で解いてみることで、時間感覚と解答のリズムをつかめます。また、合格点や出題範囲を事前に確認しておくと、苦手分野に集中して取り組む目安にもなります。
4.試験当日にそなえて心身を整える
学科試験に合格するには第一に知識を習得することが重要ですが、当日の集中力や冷静さも合否に直結します。緊張や焦りからケアレスミスをする受験者は少なくありません。
一夜漬けで直前に勉強しても焦るだけです。前日は無理に詰め込まず、落ち着いて過ごすことが大切です。
また、睡眠不足や食事抜きのまま試験に臨むと集中力が持続せず、内容が頭に入ってこないこともあります。当日は自分のペースで問題に取り組めるよう、心身のコンディションを整えておきましょう。
5.学習環境とサポートが整った教習所を選ぶ
合宿免許では、多くの教習所が学科試験対策システムや学習アプリを導入しており、教習生が効率よく勉強できる環境を用意しています。試験までの日数が近づく時期には、解けない問題が残ると不安になりやすいですが、指導員やスタッフにすぐ相談できれば安心して準備を進められます。
万が一、不合格になった場合でも、延長料金が無料となる保証付きプランもあります。
さらに、全国には学科試験の合格率が高い教習所や表彰歴のある教習所もあるため、これらの教習所に参加することで、より質の高いサポートを受けられる可能性が高まります。
関連記事:合宿免許の合格率をチェック! 試験を一発合格するコツとおすすめプラン11選
学科免除には条件クリアが必須! 対象外でも万全の対策で合格を目指そう
学科免除の条件を満たせば、学科教習の時限数が減るだけでなく、教習費用の軽減にもつながる場合があります。一方で、免除の対象外でも焦る必要はありません。丁寧な復習と的を絞った対策を重ねることで、学科試験は十分合格を目指せます。
なお、春休みや夏休みなどの繁忙期は申込者が急増し、希望の日程や人気のプラン、部屋タイプがすぐに埋まってしまうことも少なくありません。特に最短で運転免許を取得したい方は、予約状況をこまめにチェックし、スケジュールを早めに決めて申し込むようにしましょう。