合宿免許では、教習の一環として路上教習が行われます。路上での運転は教習所の校内コースよりも緊張感が伴うため、路上教習に不安を感じる方も多いでしょう。
実際に、『合宿免許さぽっと』が卒業生に実施したアンケートでは「路上教習が大変だった」という声もありました。
路上教習でミスが続くと、最短スケジュールでの卒業が難しくなることもあります。しかし、起こりやすいミスとその回避方法を事前に理解しておけば、そのような問題を避けやすくなります。
そこで、本記事では路上教習でよくあるミスとそれを防ぐ方法を解説します。
目次
路上教習とは?
路上教習とは、仮免許取得後に一般道路で行う技能教習のことです。
入校後は第一段階で教習所内のコースを使って基本的な運転技術を学び、その後、第二段階で路上教習に進みます。路上教習は、学科教習と並行して第二段階で行われます。
実際の交通状況で一般車両と同じ道路を走行し、交差点やカーブ、見通しの悪い道路、高速道路など、さまざまな場面での運転技術を身につけます。
仮免許取得には、第一段階の期間中に所内での走行練習とみきわめを受けて合格し、その後の修了検定に合格する必要があります。その後、仮免許が交付され路上教習がスタートします。
教習時限数は、以下のとおりです。1時限は50分
▼教習時限数(所持免許なしの場合)
免許の種類 | 学科教習 | 技能教習 |
普通車AT | 第一段階:10時限 第二段階:16時限 |
第一段階:12時限 第二段階:19時限 |
普通車MT | 第一段階:15時限 第二段階:19時限 |
※1時限:50分
なお、通学免許・合宿免許を問わず、教習内容や時限数、修了条件は全国で統一されています。
路上教習で起こりやすいミス
路上教習では、実際の交通状況で運転するため、初心者が戸惑いやすくさまざまなミスが起こりがちです。特に、速度超過や安全確認の不備、車間距離の不足、停止位置の超過などは、教習生の間でも頻繁に見られるミスです。
これらのミスを防ぐためには、事前にポイントを押さえておくことが大切です。
1.速度超過
路上教習では制限速度厳守が基本ですが、特に初心者は速度の感覚をつかむのが難しく、速度超過してしまうことがあります。
見通しのよい直線道路では、アクセルを踏み続けることでスピードが出やすくなり、運転に慣れてくると無意識に速度が上がってしまうこともあります。また、周囲の車の流れに合わせようとして、制限速度以上にスピードを出してしまうケースも少なくありません。
スピードが出すぎると視野が狭まり、歩行者の飛び出しや信号の変化に気づくのが遅れてしまいます。その結果、重大な事故につながる危険もあるため、制限速度の意識は常に持ちましょう。
2.安全確認の不備
運転に慣れていないうちは、操作に意識が集中しすぎてしまい、周囲の確認が疎かになりがちです。特に、交差点での右左折時や車線変更の際に、ミラーや目視での確認を忘れると、歩行者やほかの車両と接触するリスクが高まります。
例えば、左折時に後方から接近する自転車に気づかず、巻き込みそうになるケースがあります。また、右折時に対向車の動きを見誤り、無理に曲がってしまうこともあるため注意が必要です。
3.車間距離が不十分
車間距離が不十分だと、前の車が急ブレーキをかけた際に対応が遅れ、追突事故につながる危険性があります。特に初心者は前方との距離感を正確に把握しづらく、知らないうちに車間が詰まってしまうことも少なくありません。
交通量の多い都市部では、車の流れに合わせようと焦るあまり、前の車に近づきすぎる傾向が見られます。
一方、田舎道では周囲に車が少ないことで油断し、気づかぬうちに前方車両へ接近している場合もあります。信号待ちの際も同様で、距離が近すぎると再発進時に追突するおそれがあるため、常に余裕を持った間隔を保つことが大切です。
4.停止位置の超過
信号待ちや一時停止の際に、適切な位置で止まれないのも初心者によくあるミスです。停止線を越えてしまったり、横断歩道上で停車してしまったりすると、歩行者の通行の妨げになり事故のリスクにつながります。
赤信号で慌ててブレーキを踏んだ結果、停止線を大きく越えてしまうこともあります。こうしたミスは、歩行者やほかの車両と接触する可能性があり、十分な注意が必要です。
路上教習での失敗を防ぐための方法
ここでは、路上教習での失敗を防ぐために意識したいポイントを紹介します。内容をしっかり理解したうえで、落ち着いて教習に臨みましょう。
1.周囲の確認を徹底する
運転中は、標識を見逃さないようにし、歩行者や周囲の車の動きにも十分に注意を払いましょう。
交差点や横断歩道では歩行者がいないかを確認し、一時停止の標識がある場所では確実に停止します。確認すべきことが多く、焦ってしまう場面もあるかもしれません。そのような場合でも、ミラーや目視でしっかり安全を確認しながら、落ち着いて進行することが大切です。
2.制限速度を維持する
周囲の流れに合わせつつ、適切な速度を維持する必要があります。そのためには、速度計をこまめに確認しましょう。ほかの車や標識の確認に気を取られてしまいがちですが、スピードを一定に保つためには、定期的にメーターを確認することが重要です。
スピードが出すぎないよう、アクセルの踏み込みを調整し、一定の速度を保つことを意識すると安定した運転につながります。
3.車間距離を適切に保つ
常に前の車の動きに注意し、急ブレーキに備えて適切な車間距離を維持します。
車間距離の目安には、2つの方法があります。
①距離で測る方法
時速30〜60kmの場合、「速度から15を引いた数値」が車間距離の目安とされています。例えば、時速50kmの場合だと35mが目安の距離です。
道路の白線の長さ(5m)と白線間隔(5m)を基準に、推奨距離を測る方法もあります。
②時間で測る方法
統計によると、車間時間が2秒以内の場合は重大な事故が起こりやすく、2秒以上確保できれば、事故のリスクは少なくなるとされています。しかし、車間時間を4秒以上空けると割り込みの危険が高くなるため、適切な距離として2秒が推奨されています。
車間時間を計測するには、走行中に「01(ゼロイチ)、02(ゼロニ)」と数えることで、1秒ごとの距離感が測りやすくなります。
出典:警視庁『高速道路を利用する皆様へ』
4.落ち着いて運転する
教官の指示をしっかりと聞き、分からないことがあれば積極的に質問して不安を解消しておくことも大事です。
AT車では、急いでアクセルを踏むと急発進して焦ってしまうこともあるため、発進時や停車時は落ち着いて操作しましょう。MT車では、エンストを起こすと慌てやすいため、クラッチ操作を丁寧に行い、発進やギアチェンジを慎重に行いましょう。
これらのポイントは、普通車だけでなく大型車にも共通して重要です。本番の試験で実力を発揮するためにも、第一段階の教習から意識して練習しておくことが大切です。
卒業検定での減点項目
卒業検定は、教習の総仕上げとして実施される実技試験です。路上での走行や基本操作を総合的に評価されるため、緊張する方も多いでしょう。
検定では減点方式が採用されており、ミスが累積すると不合格になることもあります。特に注意すべき減点項目を事前に把握しておけば、当日の運転にも余裕が生まれます。
以下に、卒業検定での主な減点対象とその点数をまとめました。
▼卒業検定(路上)での減点例
減点数 | 減点例 |
5点 | ・運転席のドアを完全に閉めずに走行
・後写鏡(バックミラーなど)の位置確認をせずに発進 ・クラッチを切らずにギアが入ったままエンジンを始動 ・ハンドブレーキ(駐車ブレーキ)を解除せずに走行 ・AT車でブレーキを踏まずにエンジンを始動 ・シートを調整しない、または不適切な調整で不自然な姿勢になっている ・身体がしっかりとハンドルに向いていない ・カーブ時などに両腕を交差したまま操作している ・ハンドル操作時に上体が横に大きく傾いている ・ブレーキやペダルの踏み方・足の位置が不自然 ・方向指示器を操作しない、進路変更が終わるまで合図を継続しない、進路変更後に合図を終えない など |
10点 | ・シートベルトの不着用
・操作不良でエンジンが停止 ・停止地点から進行方向と反対方向に0.3~0.5m進行する ・通常発進すべき状況から5秒以内に発進しない ・全車がおおむね15m以上進行しても発進しない ・エンスト後、おおむね5秒以内にエンジンを始動しない ・道路及び交通の状況に応じた加速が不適切 ・安全の不確認 など |
20点 | ・停止地点から進行方向と反対方向に0.5~1m進行する
・安全速度より5km/h 以上速い ・対向車や障害物とすれ違う際に、十分な側方間隔を確保しない ・前の車に追いついて停止する際、1.5メートル以上の距離を保たずに近づきすぎる ・車体の一部が路側帯に入って通行、または通行しようとする など |
試験中止 | ・ブレーキ、ハンドル等のコントロールを失い危険な場合
・同じ場所での切り返しを2回以上行う(復帰を含む) ・歩行者、車両等または建造物等に車体が接触するおそれがある ・信号を無視する ・進行を妨害する、またはその恐れがある ・道路標識等による一時停止の指定場所で停止しない ・踏切の前で停止しようとしない ・試験官がハンドル、ブレーキその他の操作を補助し、または是正措置を指示する など |
警視庁『運転免許技能試験に係る採点基準の運用の標準について(通達)』を基に作成
試験に合格するためには、減点項目を事前に把握し、安全運転を意識することが大切です。たとえ小さなミスでも、積み重なることで不合格につながる可能性があります。
特に、試験中止に直結するような重大な違反は一度のミスで失格になるため、信号や標識をしっかり確認しながら、常に慎重な運転を心がけましょう。
出典:警視庁『運転免許技能試験に係る採点基準の運用の標準について(通達)』
路上教習でのミスを回避し最短で卒業しよう!
路上教習では、速度超過や安全確認の不備、車間距離の不足など、さまざまなミスが起こりがちです。しかし、失敗の原因を事前に理解し、適切な対策を講じることで、こうしたミスは防ぎやすくなります。
安全運転のためには、周囲の状況をしっかり確認し、制限速度を守ること、そして車間距離を意識しながら落ち着いて運転することが大切です。卒業検定の減点項目についても事前に確認しておけば、不安を軽減できます。
これらのポイントを意識して教習に取り組めば、合宿免許でも最短日数での卒業を十分に目指せます。