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自動車関連

公開日:2016年6月24日 / 最終更新日:2016年6月25日 / 2190view

「人とくるまのテクノロジー展2016」で感じた、 未来の車のカタチ。

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自宅の玄関を出て指定の位置に立つと、颯爽とマイカーが目の前に現れてドアが開く。運転席に座るとステアリングホイールがダッシュボードに格納されて運転席が後部座席に移動し、小さなリビングルーム化されている車内へ。後部座席の姿はすでに無く代わりにテーブルが設置されている。朝食をいただくのも、仕事をするのも移動時間の過ごし方はその日の予定にあわせて使う。気分がのれば、自動運転からマニュアルモードに切り替えて、運転席へ。自分の手でステアリングホイールを握り、両足でペダル操作を行う。

……夢のような、映画の世界でしか実現できなかったことが、生きている間に現実になるかもしれないと感じることが出来たのが、今回訪れた「人とくるまのテクノロジー展2016」(201652526日パシフィコ横浜にて開催)。 自動運転化が実現すれば、交通事故がゼロになることも夢ではない。昭和35年6月25日に現在の指定自動運転教習所制度が導入されたことに由来して、設定された「6月25日、無事故の日」も、「そんな、心がけをしていた時代もあったよね」と、過去の話になるかもしれない。それでは「人とくるまのテクノロジー展2016」で見てきたブースを紹介しよう。

注目のブースをピックアップ

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会場内に入ると、最初にお出迎えしてくれたのが、個人的にも大好きな車、東京電気自動車(現、日産自動車)のたま電気自動車。そのほかトヨタスポーツ800からプリウス、MIRAIまで古き良き時代の車から最新技術が注がれた車がエントランスに並んでいた。さらに会場の奥に設置された試乗会の会場では、超小型モビリティだけでなく、マニュアルトラスミッションが搭載された新車もスタンバイ。自動車技術会が今年のテーマとしている「いつまでも、くるまにワクワク、ドキドキ、ときめきを」のテーマに沿った車たちが並んでいた。走ることの喜び、楽しさを次世代にもつなげていきたいという想いが感じられる展示になっていた。

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会場内は最新技術のオンパレード。すぐに使えるアイテムから数年先を見越した商品、さらに未来を見据えたプロダクトやサービスまで、クルマの今、近い将来、未来が見て触れて分かるようなブース展開がされていた。そして会場内でもっとも人だかりになっていたのが、昨今ユーザーの熱い視線が送られている、自動運転関連のブース。例えばデンソーブースでは、ハーモニアス・コミュニケーション・コクピットの体験デモを実施。運転中に危険箇所に差し掛かったときはドライバーに注意喚起や、合流や車線変更時ではスムーズに行えるようにサポートするなど、未来のコクピットを展示。

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また日立オートモティブシステムのブースでは、先進自動運転システムに不可欠な認識、制御、駆動を担う製品システムの紹介から、実際に2016年2月に茨城県ひたちなか市の常陸那珂有料道路で行われた自動走行システムの走行実証試験の様子をモニターで放映するなど、自動運転の現在の状況がリアルに披露されていた。


キャノンのブースでは、MixedRealityシステム、MREAL(エムリアル)を出展。ヘッドマウントディスプレイを頭に設置すると、広画角、高精細で3D映像を投影。ヘッドマウントディスプレイを装備すれば、場所問わず、車の外観から車内を見ることが出来る。この技術がどんどん進化すれば、車選びも家で出来たり、車のカスタムを依頼し、完成を見るときも映像を送ってもらえれば場所問わず確認検証が出来る。楽しい妄想が広がるプロダクト。

最後に

自動運転における技術開発は本当に奥が深く、幅が広いことを感じた「人とくるまのテクノロジー展2016」。加速、操舵、制御のシステムから、カメラやミリ波レーダーなどを融合させたセンサーの開発、外部からのハッキングを防ぐシステム、車と車との距離を計測するといった技術など、あげていくときりがない。そして今後一番熱くなる展開が想像されるのが、人工知能、AI技術。歩行者の認識、標識の区別、あらゆるシチェーションに対して適切な状況判断が出来るように、AIの技術が発展していけば、事故を起こさない車が実現可能になる。

今回の展示会を見て感じたことは大きく分けて2つ。ひとつはスマートフォンのようなタブレットひとつあれば、クルマの免許がなくてもクルマでの移動が可能になるかもしれないということ。そしてもうひとつは、クルマを走らせる楽しみは、スノボやサーフィンのように、スポーツとして存在していくのでは?ということ。もしかしたら、スポーティに走りたい人向けのマニュアルモード専用レーンも出来ているかもしれない。

移動のためのクルマと、スポーツとして楽しむクルマ。そんな未来が現実味を帯びてきた。そしてクルマの在り方や、クルマとの付き合い方はますます多様化し、今あるクルマまわりのサービスは、がらりと変わるはず。移動という概念も無くなるかもしれない。いろいろな妄想が尽きない、未来に向けてワクワクドキキさせてくれる展示会でした。

 

鈴木 珠美

ヨガ講師/カーライフアドバイザー/モータースポーツ記者。株式会社三栄書房にて、オートスポーツ誌、オプション誌の編集部員を経て独立。独立後は女性誌、ブライダル誌にて「女性のライフスタイル」企画に携わり、編集執筆と同時に車の専門誌の編集記者として活動。2006年~女性のためのカーライフマガジンの編集長を経て、車の楽しみ方、付き合い方レシピ等「車生活」をあらゆる角度からプロデュースするオフィスタマ株式会社を設立。個人では、カーライフアドバイザーやドライブデート評論家として執筆、ラジオ、セミナーに出演。車内の香り選び、お掃除術、成功するドライブデートプラン、運気をアップする車内の整理整頓術などドライバー視点で興味のあるテーマを取り上げて発信している。またヨガ講師としても活躍。事故ゼロを目指して、ドライブの疲れを癒すヨガ、集中力を高めるヨガなど監修執筆も行っている。