自動車関連 | 公開日:2016年3月26日 / 最終更新日:2016年5月30日 / 2321view |
ドライブデートへ行く前に……「マイカーで自主トレ」
自動車教習所を卒業してからは、運転技術を磨くのは基本、自主トレ。初心者マークを表示しなくてはいけない、初心者運転期間の1年間くらいは、ベテランドライバーや自分より運転歴が長い人を助手席に乗せて指導を受けたこともあるかもしれませんが、教官以外の人の言葉って中々素直に聞くことが出来なかったりしますよね? それに教習所の指導員だって、基本は運転免許証の取得に特化したレッスンしか指導しないので、街に出たら、自分で経験を積み上げて磨いていくしかありません。つまり“運転お作法”に関しては、そのドライバーの性格やら、センスが大きく反映されます。
それをつぶさにジャッジ出来る場所が、助手席。そこで今回は、助手席に座った方の不快指数をあげないためにも、運転が「少し」上達するテクニックをお教えします。少しって書いたのは、本音です。劇的に運転力が向上することはありません。少しずつ、丁寧に、ステップアップしていきましょう!
目次
01:目的地&ETCのセット完了後は、スムーズに発進!
カーナビゲーションシステムと、ETC車載器は、装着したほうが断然スマートです。とくに運転に慣れていない方にとっては、便利なだけでなく、心にも寄り添ってくれる文明の機器。必ず、用意しておきましょう。運転スタート前は目的地&ETCカードをセット。ETCカードは、ちゃんと正しく挿入出来ているかどうか確認することも大事。ETCは音声案内にしておくと安心です。「では出発~!」となるのは、まだ早い!
次は座る位置(=ドライビングポジション)の確認。正しい運転姿勢がとれていないと、スムーズな運転操作の妨げになったり、いざ、急ブレーキを踏まなくていけない場面に遭遇したときに、ブレーキ操作に遅れが生じたりします。それに正しい姿勢がとれていると疲れが軽減するメリットも。では正しい運転姿勢をおさらい。まず、①シートに深く座り、②腰と背中をシートにつけます。③かかとは床につけた状態でペダルを奥までしっかりと踏める位置。次に、④ハンドルを回したときに腕が伸びきらない位置にシートを調整します。体型やクルマによっても違うので、乗るクルマに合わせてアジャストする必要がありますが、ポイントは、ハンドル操作、ペダルの操作がきちんと出来る位置にセットすることです。正しい運転姿勢をとることができて初めて、ルームミラー、サイドミラーを正しく合わせることが出来ます。
さて、いよいよ出発! アクセルペダルは、ゆっくりじわじわ~と踏んで加速していきましょう。これは赤信号で止まって、再び発進するときも同じ。アクセルペダルを急激に踏み込んで発進するのは禁物です。安全運転のために! はもちろんのこと、「せっかちで余裕がない男」の烙印が押されないように、紳士的な発進を目指して、ふだんから街トレで経験値を積んでおきましょう。
02:ジェントルマンな右折、左折を目指せ
右折の際にとくに気を付けたいのが、対向車が停まっていて道を譲ってくれたときに起こる、サンキュー事故。これは道を譲られて「ありがとー」と右折した際に、対向車の脇から直進するバイクが出てきて衝突するといったような事故。いっぽう、左折時に気を付けたいのは、後ろから来るバイクや後方車。左折時は早めにウインカーを出して後方に左折することを知らせることが大切。また交差点では左折の際に死角から急に飛び出してくる歩行者がいるかもしれないし、横断歩道では信号が赤に変わる瞬間に走って渡ろうとする歩行者も少なくありません。右折の際も、左折の際も、自分の目で安全確認することが事故を防ぐ最大のコツです。時おり「ミラーで十分」と、自身の目で確認することを、恰好悪いコトだと嫌がる方もいますが、それは逆! クルマに乗せてもらっている同乗者には、不安要素となります。運転者がきちんと安全を確認し周囲のクルマや道の状況を正しく把握していると、安心して身をゆだねられますが、運転者が周囲を全然見ていない状況では、同乗者に“不安”や“恐怖”が生まれます。安心出来ない移動空間に身を固くしているはずです。自主トレでは、ミラー&目視での安全確認を改めて徹底してみてください。意外と、ミラーを見ていなかったコトに気が付くはずです。運転テクニックを披露するよりも、きちんと安全確認をしているドライバーのほうが断然、2度目のデートにつながります。
03:踏切&横断歩道で問われる品格
踏切手前では一時停止をして安全確認をする。これは交通ルールで決まっていることです。前方にクルマが入るスペースがあるか確認し、同時に横断する歩行者に気を付けて横断します。そして横断歩道ですが、近頃人が渡ろうとしているのがクルマから見えているはずなのに、横断歩道手前でアクセルをさらに踏んで加速するクルマをよく見かけます。当然ながら、横断歩道は人が優先です。そして、このケース。じつは車内から見ているとドライバーの品格が問われるシーンでもあります。以前「ドライブデートで嫌だったこと」というアンケートを女性ドライバー100名にとったところ、上位にランクインしたのが「周囲に優しくない運転をするカレ」でした(カーユニウーマン調べ)。具体的には、他のクルマに道を譲らない、横断歩道で加速した、歩行者に優しくないなど。逆に、道を譲る、歩行者に優しいといったシーンを助手席から目撃した女性は、彼への評価がぐーんと高まる傾向に。そんなワケで、自主トレでは、周囲に優しく交通ルールにのっとった丁寧な運転を心がけてみてください。
04:安全性も平和も愛もスポイルする、優柔不断な車線変更
車線変更が必要なときは、早めにウインカーを出して後方のクルマにしっかりと意思表示をすることが大切です。これって、周囲への配慮が出来る、空気が読めるヒト……というジャッジにもつながる要素。入るのか、入らないのか、優柔不断な動きは安全をスポイルするだけ。車線変更の目安は、移りたい車線にクルマ2台分程度のスペースがあり、前後のクルマが自分と同じくらいの速度で走っているとスムーズな車線変更が可能です。ミラーで周囲を見て、見えない部分は目でも安全確認を。そしてさらに余裕を持って車線変更をしたいなら、事前に目的地までの道のりを地図で確認しておくことです。この信号を超えたら左車線、次はここを超えたら右車線に入ろうなど、事前に道のりをシミュレーションしておくと心に大きな余裕が生まれます。
05:優しさと強さとメリハリのある男を演出する“合流”
高速道路の合流はある意味、優しさ強さ、そしてメリハリのある男を演出する場。加速レーンではアクセルペダルを丁寧にしっかりと踏み込み、十分に加速することがとても大事です。半端な加速だとスムーズに本線には入れません。加速レーンでしっかりと加速し、早めにウインカーを出して本線に入る意思表示を明確にすること。また加速レーンに入ったときに比較的近くに後方車がいたら、慌ててそのクルマの前に入ろうとせず、そのクルマの後ろをついていくような感じで本線に入るとスムーズです。慌てず、焦らず、流れに乗るために十分な加速をする。これが合流のセオリーです。
06:スマートなカーブの走らせ方
とくに都市高速のカーブは曲率がきついので、カーブ走行が苦手という声をよく耳にします。曲率がきついカーブをスムーズに走るために、まず必ずやってほしいことは、カーブに入る前にしっかりと減速しておくことです。これでカーブ中の“怖い”気持ちはだいぶおさまるはずです。それにカーブの先が渋滞していたとしても、減速していれば対応も可能。ここで1つ注意したいのは、カーブが見えたからといって急に減速はしないこと。後方車への配慮もしながら追突されないように減速を。
では実際のカーブの走らせ方をレクチャーしていきます。①減速してカーブに入ったら足はアクセルペダルに戻し、ハンドルを少しずつ切っていきます。②視線は常にカーブの先を見るようにします。③カーブの曲率が一定になったら、ハンドルを切る量は一定をキープ。④クルマが内側に寄ったらアクセルを少し踏み、逆にクルマが外側に寄ったら少しアクセルペダルを弛めて、アクセルペダルでコントロールしながら進みます。⑤カーブの先、直線が見えてきたら、少しずつ加速しながらハンドルを真っ直ぐに戻していきます。カーブを安全にダンディに走らせる最大のコツは、無理をしないこと! 自分が対応出来ない速さでカーブに突入して、カーブ中にとっちらかるなんて、言語道断です。
――――出発前の準備。丁寧な、アクセルワークでの発進。安全確認をすること、周囲に気を配れる優しいドライバーになること・……。正直、これらのことをデート本番だけやろうと思っても無理な話。デートのときだけ「優しい僕」を演出しても、運転をすればすぐにばれます。クルマの運転は運転歴をただ積んだだけでは、同乗者が安心して身をゆだねられる運転テクニックや運転マナーは向上しません。周囲を把握する力と、周囲への思いやり。そしてその場に見合った判断力。さらに丁寧な操作とメリハリのある運転力を常に心掛けていく必要があります。何より一番大切な心掛けは、自分の運転を過信しないこと。運転がヘタでも、駐車がなかなか上手に出来なくても、丁寧に頑張っているメンズの運転は、絶対に女性から好かれます。いや、むしろ女性には、こういうメンズを積極的に応援してほしい。頑張る男性を応援する女性。愛あふれる、素敵なドライブデートがあちらこちらで盛り上がれば、嬉しい限り。クルマだからこそ楽しめるドライブデートで、素敵な思い出をたくさんつくってくださいね!
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鈴木 珠美
ヨガ講師/カーライフアドバイザー/モータースポーツ記者。株式会社三栄書房にて、オートスポーツ誌、オプション誌の編集部員を経て独立。独立後は女性誌、ブライダル誌にて「女性のライフスタイル」企画に携わり、編集執筆と同時に車の専門誌の編集記者として活動。2006年~女性のためのカーライフマガジンの編集長を経て、車の楽しみ方、付き合い方レシピ等「車生活」をあらゆる角度からプロデュースするオフィスタマ株式会社を設立。個人では、カーライフアドバイザーやドライブデート評論家として執筆、ラジオ、セミナーに出演。車内の香り選び、お掃除術、成功するドライブデートプラン、運気をアップする車内の整理整頓術などドライバー視点で興味のあるテーマを取り上げて発信している。またヨガ講師としても活躍。事故ゼロを目指して、ドライブの疲れを癒すヨガ、集中力を高めるヨガなど監修執筆も行っている。