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自動車関連

公開日:2015年11月24日 / 最終更新日:2016年5月30日 / 1711view

カーライフ・ジャーナリストまるも亜希子さんに教わる【赤ちゃんと安全にドライブするためのポイント5つ~冬ドライブの注意点も!】

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車に乗る赤ちゃん

顔を真っ赤にして全身の力をふりしぼって、この世に誕生してくれた我が子。無事に出てきたという安堵と、ようやく会えたという歓びとで、大きな感動に包まれた瞬間を今でもハッキリと思い出します。ただ、安産すぎたせいか(笑)、パパは「えっ、もう生まれたの!」なんてポカ~ンとしていて。やっぱり男性はお腹を痛めていない分、なかなかすぐには我が子という実感がわいてこないようですね。

でも、二人で確認しあったのは、「この子を守ってあげられるのは俺たちしかいない」ということ。クルマで出かけるのがほぼ100%の我が家だけに、とくにドライブ中の安全と快適性はしっかり注意してあげようと誓ったのでした。そのためのポイント5つをご紹介します。

01.まずは赤ちゃんの安全な居場所を確保

最近のクルマは、エアバックや緊急時の自動ブレーキなど、安全性が飛躍的に高まっていますが、大前提としてまずシートベルトを確実にしていないと、どんな装備も何の役にも立ちません。小さくて骨格も出来上がっていない赤ちゃんには、チャイルドシートがその役目を果たす唯一のもの。抱っこじゃ赤ちゃんの命は守れないのです。JAFと警察の合同調査で、チャイルドシート使用率はいまだ62.7%にとどまり、使用していても正しく装着できていない人が多いのが現状。チャイルドシートを選ぶ時は、金具を差し込むだけで確実に装着できる、ISO-FIX対応のものがオススメです(クルマ側も対応していることが必須)。装着する場所は、後席にしましょう。また、まだまだチャイルドシートにも粗悪品があります。前面衝突試験と使用性評価試験を行い、その結果を公表している「チャイルドシートアセスメント」を参考にして、信頼できる品質のチャイルドシートを選んでくださいね。

02.いつでも「チラ見」で状況確認を

体重が9kgを超えるくらいまでは、チャイルドシートは後ろ向き装着です。(※安全先進国スウェーデンの自動車メーカー、 ボルボの研究結果では、 3~4歳まで後ろ向き装着でなければ、 赤ちゃんの安全を守れない可能性が高いということでした。 これに従い、このコラムでもそのように訂正させていただきます。 2016年5月追記) そうすると、運転席からは赤ちゃんがどんな表情なのか見えなくて、急に泣き出したりするとかなり不安なもの。そこでチャイルドシートを装着しているシートのヘッドレストに、大きめのミラーを取り付けて、赤ちゃんが映るようにしておきます。そうするとルームミラーと合わせ鏡になって、寝てるのか起きてるのか、ご機嫌かどうか確認することができます。信号などで停車中は、運転席から振り向くと赤ちゃん側の鏡にパパ、ママが映るので、赤ちゃんも安心してくれますよ。

03.冬は着せすぎ、温めすぎに注意

チャイルドシートって、身体にピタッとフィットしている分、熱がこもって暑くなりがち。ただでさえ、赤ちゃんは体温調節がうまくできず、汗っかきなので、外が寒いからといって何枚も着せたり、暖房をきかせすぎると、すぐに汗だくに。そのままクルマから降りたら、汗が冷えて風邪をひいてしまうかも。洋服は控えめにして、タオルケットなどで調節するといいですよ。また、乗せる前に背中と洋服の間にガーゼを1枚はさんでおくと、汗をかいたらそのガーゼだけ抜けば、わざわざ着替えさせる手間がなくなります。

04.適度に休憩と水分補給を

これからどんどん、乾燥注意報が出る季節になりますね。外だけでなく、実は車内もかなり乾燥しています。夏とちがって喉の渇きを感じないので、ついつい長時間なにも飲まずに過ごしてしまいがちだけど、汗っかきの赤ちゃんはとくに水分不足に注意。クルマが揺れてもこぼれにくいマグなどに、お水や麦茶などを用意して、こまめに飲ませてあげるといいですね。そして、窮屈なチャイルドシートに長時間収まるのも、きっと疲れるはず。オムツ替えタイムも兼ねて、適度に休憩して気分転換してあげましょう。

05.直射日光のまぶしさ、熱対策

よく晴れた日のドライブは気持ちのいいものだけど、赤ちゃんにとって直射日光が差し込みすぎるのは困りもの。親としては、外の景色をたっぷり見せてあげたいと思うところを、グッとこらえてサンシェードやカーテンで遮ってあげましょう。とくに、窓ガラスが大きなクルマは思わぬところから日光が赤ちゃんを攻撃してきます。チャイルドシートに着けて、陽射しの方向によって角度を変えて使えるサンシェードもあります。でも、わざわざ買わなくても、女性用の大きめショールなどでも代用OK。天井などのグリップにくるりと両端を巻いてたらせば、即席の日除けとして使えます。

――いろいろ書いてきましたが、赤ちゃんとのドライブには、時間のゆとりを持つということがやっぱり大切。しっかり準備して出かけても、どういうわけか何をやっても泣き止まなくて、一度停まって様子を見る……なんてことがしょっちゅうだからです。パパ、ママまでイライラしたら危ないし、何よりせっかくのドライブを楽しめないですよね。

電車やバスと違って、赤ちゃんの様子に合わせて比較的自由に停まれること、かさ張るベビーグッズをたくさん詰め込んでもドアツードアで運べること、そして何より家族みずいらずで過ごせる空間。そんなクルマは赤ちゃんとのお出かけに最適です。ぜひ積極的にドライブを楽しんでくださいね。

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まるも亜希子/カーライフ・ジャーナリスト
映画声優、自動車雑誌編集者を経て、2003年に独立。雑誌、ラジオ、TV、トークショーなどメディア出演のほか、モータースポーツ参戦や安全運転インストラクターなども務める。海外モーターショー、ドライブ取材も多数。2004年、2005年にはサハラ砂漠ラリーに参戦、完走。2006年より日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。女性のパワーでクルマ社会を元気にする「ピンク・ホイール・プロジェクト(PWP)」代表。ジャーナリストで結成したレーシングチーム「TOKYO NEXT SPEED」代表として、耐久レースにも参戦している。過去に乗り継いだ愛車はVWビートル、フィアット・124スパイダー、三菱ギャランVR4、フォード・マスタング、ポルシェ・968など。自らもカーライフをエンジョイしつつ、カーライフの愉しみを持ち前の明るい笑顔とともに伝染させるべくアクティブに活躍する。現在はホンダ・CR-Zと日産エルグランドRiderで一児のママとしても奮闘中。

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