自動車関連 | 公開日:2015年11月17日 / 最終更新日:2016年5月30日 / 4194view |
プロカメラマンに教わった【愛車をカッコ良く撮るためのコツ5つ】
カッコいい愛車の写真を撮っても、いまひとつカッコ良く写らないのはナゼ?? そんなお悩みを解決すべく、自動車専門のプロカメラマン 小林克好さんに、カメラ初心者が手軽にカッコよく愛車を撮るコツを教わりました。写真の基本となる5項目について、一眼レフでもスマホでも通用するプロのアドバイス、ぜひお役立てください。
目次
01:背景(フレームの隅々まで神経を行き届かせる)
初心者の方がしやすい失敗の一つは、撮る時にクルマしか見ないことです。「俺のクルマ、カッコいいな~」と何となくパシャッと撮った写真は、残念ながら後で見ると大抵はイマイチな感じになってしまいます(笑)。よくあるのは、クルマの周りにゴミや他のクルマなど余計なものが写りこんでいるケース。写真は本来、自分が写したいものを写すものなので、自分のクルマ以外は写らないようにしましょう。それにはクルマだけでなく画面のすみずみまで神経を行き届かせることです。画面に余計なものが入っていたら、よける、クルマを動かす。余計なものを画面に入れないことを徹底するだけでも、写真のレベルはぐんと上がりますよ。
02:光(昼間でもストロボを使う)
大事なのは見せたいものが影にならないことです。たとえば逆光、自分の体より前に太陽がある状態で普通に撮ると、晴れている日は高い確率で暗く写ってしまいます。解決策はストロボを使うこと。昼間にストロボ?と不思議に思うかもしれないですが、明るい昼間にストロボをとばすと影がやわらぐ効果があります。ストロボの光は太陽より弱いので、真っ白になることもありません。順光、自分より後ろに太陽がある場合は基本的にはストロボなしでも大丈夫ですが、太陽がある以上、どこかに影はできます。自信がなければ順光でもストロボあり、なしの両方を撮っておきましょう。カメラ初心者の方はまずは昼間でもストロボを使ってみると、カッコいい写真が撮れるようになりますよ。
03:構図(写真の用途を考えて撮る)
構図で重要なのは、写真を撮る目的を明確にすることです。たとえば年賀状に使うなら、あいさつ文を入れたいからここに余白をつくろうとか、きれいな風景と写したいから風景が隠れないようにクルマを配置しようとか、なぜ、何のために撮るのかによって構図は決まっていきます。もう一つのポイントは、縦長で撮るタテイチと、横長で撮るヨコイチの選択です。実は世の中の写真の大多数がヨコイチで、一眼レフも普通にかまえるとヨコイチになります。ヨコイチの方が、風景が多く入って広がり感が出るからなんです。ところがスマホは、スマホ自体がタテなのでタテで撮る人がほとんど。タテイチで横長のクルマを撮ると、上と下が空いてしまいアンバランスになります。基本的には、縦長のものはタテイチ、それ以外はヨコイチで撮るようにしましょう。
04:クルマの角度(立ったまま撮らない)
角度を決める上でも大事なのは、クルマの何を見せたいのか、撮る目的を考えることです。一番多いのは全体を見せたいケースだと思いますが、その場合は前だけでなく後ろのドアやタイヤも見えるようにします。バランスが良い角度は「7:3」で、フロント3割、サイドが7割。ややサイドを強調したいのであれば「8:2」にします。ちなみにクルマに近すぎると歪んでしまい、バンパーが強調されて後部が写らなくなるので気をつけましょう。あと何より大事なのは、普通に立ったまま撮らないことです。立ったまま物を見るのは普段誰もがしていることなので、新鮮味に欠けてしまいます。少しでもしゃがむ、寝っころがる、高いところから撮るなど普段と違う目線で撮ってみると、見たい人が「おっ!!」となる迫力の写真を撮ることができますよ。
05:カメラの構え方・扱い方(ぶれないための工夫)
カメラの本によく「脇をしめる」とありますが、かえって力が入り過ぎることもあるので自分に無理のない構え方でいいと思います。ただし、右手と左手でカメラの両サイドを持ってシャッターを押すと、レンズが重いので前に傾いてしまい手ぶれの原因になります。一眼レフは右手でカメラを持ったら、必ず左手でレンズを下から支えましょう。一方、スマホは軽いので非常にぶれやすいです。スマホは左手の親指で下を支えるようにしっかりと持ち、親指以外の4本指で上を支え、右手で優しくそっとシャッターを押します。この時、体が動かないように呼吸も止めましょう。他にたとえば、料理写真ならグラスの縁、風景写真ならガードレールにスマホを載せて撮るなど、周りにあるものを三脚代わりにするのもアリです。
いかがでしたか? 今回ご紹介したコツを習得して、素敵な愛車の姿を写真に残してみてくださいね。
お話を伺った方/ 小林克好さん
カメラマン。1974年生まれ。クルマ好きでクルマを撮るカメラマンになって15年。その始まりは高校生の時にカメラ雑誌のF1撮影企画に応募し、初めて鈴鹿サーキットのシケインに立った時のこと。これを機にプロになる決意をし、その後スタジオアシスタントを経験し、24歳で独立。現在はチューニング雑誌や自動車メーカー広告撮影をメインに活動する。海外レースやボンネビル、シルバーステイツ、イタリアナルドの最高速撮影を手がけ、国内のレースも撮影。スタジオ撮影、ストリート撮影、レース撮影等、オールマイティな撮影技術に定評がある。