自動車関連 | 公開日:2017年4月1日 / 3461view |
車を買い替えるときに知っておきたいこと。 これだけ抑えておけば安心♪
車を初めて買い替えるときに知っておいた方がお得なコトを、車の買取・販売に詳しい自動車ライター中込健太郎氏にお伺いしました。「年明けから春先にかけては新生活を始める人も多く、車の買い替えをする人が比較的多い時期です。車の買い替えをしよう! と思い立つも、本当にこれでいいのかな?と、気持ちが揺らぐこともあるかもしれませんね。そんな気持ちが揺らいだときに、参考にしていただければ嬉しいです」
目次
01.買い替えにベストな時期はいつ?
「買い替えにベストな時期はいつ?」 ――――これはよくいただく相談です。はたして買い替えるのにベストな時期はあるのでしょうか。結論からまず申し上げると、基本的には“無い”と思っていいでしょう。なぜなら、クルマは所有していれば古くなる一方です。時間が経てば、距離が増えることはあっても減ることはありません。あとは車検の有効期間。車検の有効期間はギリギリで売るよりも、たっぷり車検期間が残っていた方が所有していたクルマを手放すときに、高く売れる場合もあります。ときにレアなケースですが、一部ドラマや映画で取り上げられたクルマにプレミアがつく場合などもあります。しかしこの場合も需要が供給量を大きく上回る場合でなければ高く売れるというほどのことはありません。ですので「乗り換えようかな……」、「手放そうかな……」。そう思った時がまさにクルマの買い替えの時期。できるだけ早く今乗っているクルマの査定をしてもらい、買取店に売却するか、次のクルマの購入先(カーディーラーや中古車屋など)に、少しでも高くクルマを手放せるように下取りの交渉をする。これに尽きると思います。
02.保険の乗り換えはどうするの?
自動車保険は1年ごとに更新している人が多いと思いますが、途中でクルマを買い替えた場合は、保険の対象を買い替えたクルマに変更する手続きが必要です。新しいクルマの納車予定がわかったら保険会社に電話をして、段取りを確認。乗り換えるクルマによっては保険料が変わる場合もあります。大抵の場合、新しいクルマの車検証を提出するだけで手続きは終了です。保険会社によっては必要書類への記入が必要な場合もあり、手続きは異なりますので、可能であれば事前に問い合わせしておくと安心です。またこのタイミングで、保険を見直す方も多いようです。今加入している保険会社もさることながら、他社にもこの買い替えのタイミングで見積もりをしてもらうのも方法の一つかもしれません。クルマ選びと保険の手続きはワンセットで意識しておく。ドライバーの責任と言ってもよいでしょう。
03.クルマを買い替えるとき、払った自動車税はどうなる?
自動車税はクルマを所有するとかかる税金で、毎年4月1日の時点でクルマを所有している人に課税されます。クルマの種類や排気量によって税額が定められていて、1年分まとめて払います。4月1日以降にクルマを購入した場合は、登録した月から翌年3月までの月割り額を支払います。ではクルマを買い替えるとき、まとめて払っている自動車税は戻ってくるのか? 乗っていたクルマを買い取りor下取りに出す場合は、基本的には還付されません。というのも、下取りに出す中古車屋またはカーディーラーでは自動車税を含めて、クルマの査定額を出している場合がほとんどです。念のために、下取り(買取)に出すときは、査定額に還付金が入っているのかどうかは聞いて確認してみることをお勧めします。
04.ローンが残っていても買い替えはできるの?
ローンが残っていても買い替えは可能ですが、ローンの残債を完済しなければなりません。残債分をクルマの査定金額でまかなえる場合はいいのですが、足りない場合は残りを完済する必要があります。ローンが完済されるまでクルマの所有者がディーラーまたは信販会社などになっている場合があり、完済しない限り、名義変更の書類を出してもらえません。ローンの残りを払うときに現金がない場合は、クルマを売った代金をローン返済にあてて、足りない分は、新たに購入するクルマのローンに残債を上乗せして新たにローンを組み直します。信販会社の審査が通れば、毎月少しずつ返済していくといったことも可能ですが、これは苦肉の策。できれば前のクルマのローンは終えてから新しいクルマに向かいたいですね。
05.「下取り」と「買い取り」のメリットとデメリット
うたい文句としては「下取りより買い取り!」と、宣伝するキャッチコピーも耳にしますが、これはあまり気にする必要はないでしょう。購入時の値引きと、少しでも高く売却する交渉を別々にした方がいいという理屈でしょうが、買い取り店でなくディーラーでも買い取り金額はかなり高い条件が出ることは珍しくありません。また、車種によっては対策金と言って、メーカーからクルマ屋さん(新車ディーラー)にお金が出ていて、その分を値引きや買い取り金額に上乗せされる場合もあります。ですので、下取りが得か、買い取りが得なのかは一概に言えないのです。結局のところ、売買は人対人。ほしいクルマがあって、大事に乗ってきたクルマを手放すとなれば、お店のスタッフも大事なクルマを少しでも高く下取りしたうえで、クルマを買ってもらえるようにがんばるでしょう。コミュニケーションを大切にしてみてくださいね。
06.クルマを売る時に注意したいこと
ナビのリセットは業者がやってくれますし、ガソリンの量なども動けば問題ありません。まれにゴミのようなオイルの缶や洗車用具、古いバッテリーなどをトランクに満載している方がいますが、マナーとしてはNG。買い取り店や、新車入れ替えをする際のディーラーさんは産業廃棄物業者ではなく、流通価値のあるクルマを買い取っている会社です。ゴミを残したまま手放すことがないように、最低限の掃除はしておいたほうがベターです。逆に、本来そのクルマについているもの、付属品で一度外していたものは積み込んでおくようにしましょう。最悪の場合、その付属品がある前提での査定金額で買い取り契約をした場合など、違約金を請求されるケースもまれにあるようです。あとは、引き渡しの時に確認するものとして、ETCカード、サングラス、ガソリンスタンドのカードなど、忘れ物をしないように気を付けてください。椅子の下にも小銭が結構落ちていたりしますので、注意しましょう。
07.まとめ、中込流を最後に。
ここまでいろいろと申し上げてきましたが、その中で一番強く申し上げたいことは「いいなと思ったクルマが現れたときのタイミングを逸しないようにしてほしい……」ということです。確かにいろいろと不安に思うこともあるでしょう。ですが、ぜひ細かいことは気にせず、いいなと思ったクルマと出会ったときに、遅滞なく飛び込んでほしいなと思うのです。多少失敗してもいいではありませんか。初めてのクルマ選びで失敗しないことより、いつも僕自身が感じていることがあります。それは……、ある意味、極端な言い方をすれば、クルマを買うことはひんしゅくを買うことだ、ということです。そのクルマでひんしゅくが買えるか? そういう視点でクルマを選んでほしいのです。例えばお給料。仕事の割に、会社の業績の割にはよくないかもしれません。なけなしの予算で工夫して手にするクルマなのです。せっかくの一台を買うなら「あの人あんな車乗り回してやーねー」と分別のある大人たちから陰口をたたかれるようなクルマこそ、あえて所有すべきなのではないか。そんな風に思うのです。だから失敗しないように、とか、どうやって選んでいいかわからない、などと思うことはありません。乗りたいと思うクルマに乗りましょう。一目ぼれは十分な購入動機でしょう。マニュアルに沿うことはありません。それに、本当に欲しいなと思った一目ぼれした一台は早々出てこないはずです。その一台を手に入れることができたなら、それだけで大成功ではないでしょうか。クルマは購入して終わりではありません。そのクルマでどこへ行くのか? どんなことをするのか? 買った後の創意工夫の勝負です。どうか素敵なカーライフの前に、その目の前の出会い、見逃さないでほしい。常々そう願ってやまないのであります。
中込健太郎/自動車ライター
大手自動車買取販売会社で、クルマの買取・販売など、中古車流通の現場実務を経験。現在雑誌やインターネットの自動車媒体で幅広く執筆するほか、自動車関連のイベントMCやラジオ番組の制作などにも携わる。限られた人の自動車趣味ではなく「多くの人に選ぶ楽しみ、出かける楽しみを知ってほしい!」をモットーに活動の場を広げている。温泉ソムリエでもあり、旅先でふらっと温泉に立ち寄るのが好き。そして実はクルマに限らず乗り物全般が好きで小型船舶免許も有する。鉄道は、クルマで出かけた先のローカル線の駅を見つけるととりあえず寄って見る「寄り鉄」を実践。そんな旅先での食べ歩きも含め、趣味の幅は広い。