自動車関連 | 公開日:2017年4月1日 / 7319view |
いまさら聞けない駐車のコツ
ビギナーの方はともかく、運転歴が長いドライバーにとっていまさら聞きにくいのが駐車のコツ……。自動車教習場を卒業した後はなかなか運転について教わる場はありません。運転技術は、自分で意識を高めて、努力して、自身で練習するしかないのです。そこで今回はビギナーの方は即実践できて、ベテランドライバーの方には改めて、揺るがない運転技術の土台を作るためにも活かしてほしい駐車上手になるためのコツを紹介します。
目次
01.駐車上手になるコツは3つ
「車庫入れが苦手……」というかたは免許証を取り立ての方だけでなく、中には、運転歴が長いドライバーの中にもいます。
家の駐車場やよく行くスーパーの駐車場は比較的スムーズに停められるけど、普段からあまり縦列駐車や狭くて停め辛い駐車場にバックで車を停める機会が少ないと、駐車をする能力にも差が生まれます。普段乗っているクルマの種類によっても駐車のしやすさ、しにくさを感じる方もいるかもしれません。つまり、駐車をする能力は、日々、どれだけ色々な状況下でクルマを使い、駐車の経験を重ねてきたのかに左右されます。
クルマの大きさや、クルマを停める場所によっても駐車をするときの停めやすさ、停めにくさは大なり小なり変わってきますが、全てに共通していえる駐車上手になるコツは3つ。正しくルームミラー&ドアミラーを合わせること、バックすることへの苦手意識を無くすことと、運転しているクルマの車両感覚を掴むこと。とくに車両感覚を正しく掴むことは上手に駐車をするコツを抑えるだけなく、日々の運転技術の向上にも大きくかかわります。
02.正しい運転姿勢を合わせてからミラーをセット
「駐車が苦手……」と言っているかたの普段乗っている車を見ると、ミラーが合っていないというケースが少なくありません。ミラーを正しく合わせることは車の運転力をつけるためにも、安全のためにも最重要項目です。では改めて正しくミラーを合わせていきましょう。まずは正しくミラーを合わせるためにも正しい運転姿勢から。シートの背もたれに、頭、背中、腰が隙間なく密着するところにシートをセット。シートの前後の位置は、両手でハンドルの頂点を握ったときにシートから肩が浮かず、肘が軽く曲がる程度のところに、ブレーキペダルを踏んだときに膝が伸びきらないポイントに合わせます。正しい運転姿勢が決まったら、次にミラー合わせ。ルームミラーの中心とリヤウインドウの中心が合うようにセットします。左右のドアミラーは、車のボディが1/3程度映り込む位置で、地面は水平になるように合わせます。
03.マイカーで練習! バックに慣れよう
それでは実際に練習です。練習する場所は広い駐車の隅っこがベター。周囲に人がいないことを確認してからスタートしましょう。まずはバックの練習から。バックが苦手な人は車が動く方向とハンドルを回す方向が分からなくなるようですが、大抵それは、気持ちの焦りから混乱しているケースがほとんどです。なので、いざというときに焦らないためにも、日々の地道な自己練習はとても大切。
バックの考え方のポイントは、曲がりたい方向にハンドルを回すコト。右に曲がりたいときは右に、左に行きたいときは左にハンドルを回せばOK。前へ進むよりもバックで進むほうが車の向きは大きく変わります。こういった前進と後進の違いを体に覚え込ませておくと安心です。ルームミラー&ドアミラーから見える風景も確認しながら、ときにはドアを開けて、目視で確認しながら、バックすることに体を慣らしていきましょう。
04.運転席から見える風景を体に覚え込ます!
続いて車両感覚を身に着ける練習。練習は同じく広い駐車場で、後ろに車止めがあって、左側にブロックや植木等がある駐車場がベター。まずは時間がかかっても良いので、バック駐車で枠の真ん中に車を丁寧に停めます。車を停めたら運転席から見える風景、ルームミラー、左右のドアミラーに映る風景を確認。次に車から降りて実際に車線の中央に真っ直ぐに車が停められているのかを目で確認し、運転席から見えていた風景と、実際との違いを確認します。
例えば後ろ。運転席から見たルームミラー&リヤウインドウ等から見た後ろの風景は、車両停めギリギリまでバックをしたと思っていたのに、思ったよりも手前で止まっていたということはありませんか? この差を無くしていくには、運転席から見える風景と、実際に停めた位置を目視で確認し、すり合わせをして差異を無くしていくことが大切です。車は見えない部分、死角がたくさんあります。感覚を掴むまではドアを開けて目視、車を降りて確認する作業を繰り返します。遠回りで面倒な作業に見えますが、車両感覚を身に着けるのには実はこの作業は近道です。次に練習してもらいたいのが幅寄せ。幅寄せのコツも運転席から見える風景を覚えることです。ドアミラーに映る景色や左前の角部の様子などを目安に停めるポイントを覚えれば、ぎりぎりまで寄せることが可能です。これも練習あるのみです。
05.車の運転は毎日がレッスンで、日々、新鮮な喜びがあります
正しい運転姿勢をとったうえで正しくミラーを合わせる。バックの練習と、幅寄せの練習で車両感覚を掴む。一見地味な作業ですが、この大切な基本を自然に抑えられるようになると、車の運転はぐんと安全に、ぐんと楽しくなります。自動車教習場では教官に口酸っぱくいわれたはずの基本中の基本。これが卒業するとだんだんと我流になっていき、基本が崩れていくのです。だまされたと思って、一度、改めてみてください。
車を運転するようになって20年が過ぎようとしていますが、いまだに「あの超狭い悪条件の場所に上手く停められたな~♡」と喜んだり、「一発で縦列を決められなかった」としょんぼりしたり、一喜一憂しています。未来の形態は変わるかもしれませんが、今現在の車の運転は人が運転しています。人の気持ちも、道路状況も常に変化しています。というわけで、車の運転は毎日がレッスンで、毎日、新鮮な喜びが訪れます。過信することなく、かといって緊張し過ぎることなく。周囲への気配り思いやりをもって運転することができれば、目まぐるしく変わる変化にも対応できると思います。安全に、新鮮な発見にわくわくしながら、車とのお出かけを楽しんでくださいね。
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鈴木 珠美
ヨガ講師/カーライフアドバイザー/モータースポーツ記者。株式会社三栄書房にて、オートスポーツ誌、オプション誌の編集部員を経て独立。独立後は女性誌、ブライダル誌にて「女性のライフスタイル」企画に携わり、編集執筆と同時に車の専門誌の編集記者として活動。2006年~女性のためのカーライフマガジンの編集長を経て、車の楽しみ方、付き合い方レシピ等「車生活」をあらゆる角度からプロデュースするオフィスタマ株式会社を設立。個人では、カーライフアドバイザーやドライブデート評論家として執筆、ラジオ、セミナーに出演。車内の香り選び、お掃除術、成功するドライブデートプラン、運気をアップする車内の整理整頓術などドライバー視点で興味のあるテーマを取り上げて発信している。またヨガ講師としても活躍。事故ゼロを目指して、ドライブの疲れを癒すヨガ、集中力を高めるヨガなど監修執筆も行っている。